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SMMA東日本大震災 ミュージアム被災と復旧レポート
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「まぼろしの“トミザワトウヒ”ツリーづくり」レポート

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雪も深まる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。SMMA事務局吉田です。
今回は地底の森ミュージアムで開催された、東北学院大学博物館によるワークショップ「まぼろしの“トミザワトウヒ”ツリーづくり」の様子をレポートします。
(2016年1月31日(日)開催)

 

トミザワトウヒとは、地底の森ミュージアムで保存・公開している富沢遺跡ではじめて発見されたトウヒ(針葉樹)のなかまのこと。2万年前の森に生息していた樹木のひとつですが、絶滅してしまったため現在ではその姿を見ることはできません。
今回のワークショップは、そんなトミザワトウヒがどんな姿をしていたのか、またトミザワトウヒの繁る氷河期の森で動物や旧石器人がどんな暮らしをしていたのか、想像しながら自分だけのツリーを作るというものです。

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今回のワークショップを企画したのは、東北学院大学で博物館学芸員資格課程を履修している学生のみなさん。東北学院大学博物館で展示の制作や博物館実習に取り組むかたわら、学内外で子ども向けのイベントやワークショップを企画・実施してきました。そこにはミュージアムで遊ぶ体験を通して、子どもたちにミュージアムが楽しい場所であることを知ってもらいたいという願いがあります。

 

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ワークショップ当日、会場のテーブルにはモールやビーズ、スパンコールなどのほか、地底の森ミュージアムの野外展示「氷河期の森」で採集したチョウセンゴヨウの実(マツの実)やアカエゾマツ・グイマツの実(松かさ)といった、地底の森ミュージアムならではのツリーの材料が並びました。参加した子どもたちは色とりどりの紙を折ってツリーの形を作り、材料をひとつひとつ摘まんではツリーにくっつけていきます。モールをぐるぐる巻き付けたり、松かさをツリーのてっぺんにくっつけたりと、それぞれ自由な発想で飾りつけていきます。

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一生懸命取り組む子どもたちを見守りながら、「うまくくっつかない? じゃあ向きを変えてみようか」「水色が好きなんだね。こんな水色もあるけど、どっちがいいかな」と声をかける学生のみなさん。最初は見知らぬ人たちに緊張しているのか言葉少なだった子も「ここにあと3つくらいくっつけるよ!」「このモール巻いたらかっこいい?」と楽しそうに話をするようになり、「おにいちゃんみてみて、できた!」と学生さんのところへ走って報告にいく子どもたちもいました。

 

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ツリーが出来上がったら、次はパネル展の会場でクイズラリーに挑戦。パネル展「大学生による文化財レスキュー ―復旧期5年間でできたこと―」を見学しながら、会場に隠されたクイズの答えを探します。

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パネル展「大学生による文化財レスキュー ―復旧期5年間でできたこと―」では、東北学院大学博物館における、東日本大震災後の文化財レスキュー活動を紹介していました(平成28年1月19日(火)〜2月4日(木)開催)。
東日本大震災のあと、東北学院大学博物館は石巻市鮎川収蔵庫で被災した文化財の修復・保存を担当することになりました。しかし鮎川から届けられた文化財の数は、なんと4000点。それもほとんどが津波に襲われバラバラになってしまった「何か」の部品や破片でした。加えて東北学院大学で文化財レスキュー活動に従事する人の多くは、プロの学芸員ではなく学生たちでした。
こうした状況のなか、東北学院大学では「文化財レスキューカルテ」の作成や専門家からの指導体制づくり、「はたらく棒」プロジェクト(※)の発案など、さまざまな工夫をこらしレスキューに取り組んでいきました。またレスキューが一段落した現在も、保全した文化財を通して被災地の文化を紹介する展示を開催したり、被災地で暮らしていた人々からかつての暮らしについて話を聞いたりなど、地域の文化の魅力を再発信する活動に取り組んでいます。
文化財レスキュー活動がどう展開されていったかだけでなく、保全された文化財や被災地の人々の記憶を後世に繋いでいくことの大切さも伝わってくるパネル展でした。
(※「はたらく棒」プロジェクト:ばらばらになった民具の棒や破片を外部の民具研究者に見てもらい、学生がその指導を受けながらもとの民具に組み直していく試みのこと。ただの棒に見えるものも元々は民具の一部として「はたらく棒」であったことから命名されました。)

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さてパネル展の会場では、そこかしこに隠れている東北学院大学博物館のキャラクター・みんぞくんがクイズラリーの答えを教えてくれます。ときどき混ざっている地底の森ミュージアムのキャラクター・富沢博士が教えてくれるのは、「間違った答え」。何人かの参加者はひっかかってしまい、悔しそうな声を上げていました。(画像右:青い◯が富沢博士、赤い◯がみんぞくんです)

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見事全問正解した人は、旧石器人と出会ってびっくりしているシカを描いた記念スタンプをぺたり。2万年前の氷河期の森で、こんな出会いが本当にあったかもしれませんね。ちなみにこのスタンプも学生さんの手づくりだとか。

 

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ワークショップやクイズラリーを通して、思い思いの時間を過ごした子どもたち。次のミュージアムではどんな面白いこと、楽しい出会いを経験するのでしょうか。

 

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東北学院大学博物館では、次回の展示「歴史学科考古学ゼミナール24年の軌跡(仮)」の開催に向けて着々と準備が進められています。
また地底の森ミュージアムでは、企画展「地底の森ミュージアム2015」および「ミュージアムフォトコンテスト ‐氷河期の森・縄文の森の風景 2015‐」の作品展を平成28年3月13日(日)まで開催中です。特にフォトコンテストでは、2月21日(日)までの来館者による一般投票の結果で入賞作品を決定します。ぜひ足をお運びください。

【お問い合わせ】
地底の森ミュージアム
TEL:022-246-9153
東北学院大学博物館
TEL:022-264-6920

 

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