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特別展「まど・みちおのうちゅう」レポート

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ぞうさんのおはなもながい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。SMMA事務局吉田です。
今回は仙台文学館で開催中の特別展「まど・みちおのうちゅう」をレポートします。

 

山口県周南市出身のまど・みちお(本名石田道雄、1909-2014)は、「やぎさん ゆうびん」「ぞうさん」「一ねんせいになったら」といった童謡を多数残しただけでなく、1994年には日本人として初の国際アンデルセン賞作家賞を受賞するなど、国内外で高く評価されている詩人です。幼い頃に覚えたまど・みちおの童謡を今でも口ずさめる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の特別展では、まど・みちおの詩人としての歩みを紹介する資料や映像のほか、まど・みちおが制作した絵画作品を多数展示しています。

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まど・みちおが50代前半期と100歳の頃に制作した絵画作品は、ほとんどが抽象画です。今回展示されている作品にも具体的な何かを描き出したものは少なく、そもそも題名が付されていない作品も多く展示されています。
作品の色彩や描画方法も独特で、たとえば水彩絵の具を塗った上から紙をひっかいて線を引き、そこに水彩絵の具を重ね塗りして作られた作品は、間近で観ると色の濃淡が紙の凹凸に併せて変化しているのが分かります。紙の表面を削ることで生じた毛羽立ちが不思議な効果を生んでいる絵もあれば、紙全体をボールペンのぐるぐるとした線で埋め尽くしてから色を塗っている絵もあります。さまざまな画材による線や色が幾重にも重なった作品の数々は、観る者に新しい気づきをもたらしてくれるものばかりです。

こうしたまど・みちおの絵画作品から描かれたものの意味をとらえるのは、それが題名のある作品であっても難しいことでしょう。しかしこれらの絵画作品は、詩と同様にまど・みちおの内側から生み出されたものです。特別展の会場にはまど・みちおが詩についての思想や作品を綴った手書きの資料も展示されていますが、絵画はこれらの文字と同じように、まど・みちおの内側に広がる「うちゅう」の発露ではないかと思います。絵画の並ぶ展示室を進みながら、まど・みちおの「うちゅう」を漂ってみてはいかがでしょう。

 

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また今回の特別展は周南市美術博物館からの巡回展ですが、仙台文学館会場ならではの展示もあります。
そのひとつがこちらの「まど・みちおと宮城ゆかりの人々」。生前のまど・みちおと交流のあった歌人・評論家の佐藤道雅氏へまど・みちおが宛てた手紙を展示しているほか、気仙沼出身の詩人・水上不二の呼びかけによって同人誌『昆虫列車』に掲載されたまど・みちおの文章など、宮城県ゆかりの詩人とまど・みちおとの交流の記録を見ることができます。手紙や日記といった作品以外の文章からは作家本人の人柄がしのばれるものですが、これらの展示からはまど・みちおのことばに対する細やかさ、まめな人柄をうかがうことができます。

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もうひとつは、まど・みちおの作品「やぎさん ゆうびん」にちなんだ撮影スポット!
黒やぎさんや白やぎさんの帽子をかぶって郵便かばんを肩に提げたら、真っ赤なポストの隣で記念撮影をしてみましょう。帽子は在仙の手芸作家さんの1点ものとか。大人用の帽子もあります。

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ちなみにこちらの赤いポストは館内限定で手紙も送れます。会場に置かれた便箋にまど・みちおさんへの手紙を書いて投函してください。投函された手紙は会場に掲示されますが、やぎさんの帽子をかぶっているからといって食べないでくださいね。

 

最後に館内のカフェ「ひざしの杜」の特別メニューをご紹介します。
特別展の会期中、まど・みちおの詩「ブドウのつゆ」にちなみ、「山ぶどうとブルーベリーのクロナッツとドリンクのセット」を提供しています。
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山ぶどうのさわやかな酸味とクロナッツの食感がすてきなメニューです。上に乗っているグラノーラのサクサク感もおいしさのポイント。ぞうさんの形をしたビスケットは、おはながながいのね……と思いを馳せつつお召し上がりください。

 

特別展「まど・みちおのうちゅう」は、2016年6月26日(日)まで開催中です。

 

◇おまけ◇
仙台文学館2階の情報コーナーでは映画「殿、利息でござる!」の宮城県先行公開(2016年5月7日)にちなみ、撮影風景や映画の舞台・大和町の様子などを伝える特集展示を5月31日まで開催しています。原作書籍や関連資料もお見逃しなく。
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