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ミュージアムトークテラス 第1回 「女性ファッション雑誌の変遷・歴史」レポート

学芸員など、ミュージアムで働く中の人の魅力をお伝えするトークプログラム「ミュージアムトークテラス」。専門家のお話を美味しい料理や飲み物と一緒に気軽な雰囲気の中で楽しむことができるのが魅力です。

 
2019年6月21日に開催した第1回は、東北大学史料館准教授 加藤諭先生を講師にお迎えし、「女性ファッション雑誌の変遷・歴史」というテーマでお話いただきました。さらに、この日はサプライズゲストとして、加藤先生が出演するFMたいはくのラジオ番組「小川さなえのなるほど歴史講座」(毎週土曜21:30放送)でメインパーソナリティを務める小川さなえさんにもご出演いただきました。


▲まるでラジオの公開放送のような息の合った二人の掛け合いに、会場のみなさんも一緒に笑ったり、頷いたり、すっかり聴き入っていました!

 
▲当日は生憎のお天気でしたが、多くのお客様にご来場いただくことができました。”女性ファッション雑誌”がテーマと言うことで、女性の方が多かったようですが、中には熱心に耳を傾けている男性の姿も見られました。

 
▲トークの始まりは、私達が普段目にしている、購入できるアイテムを紹介する雑誌ではなく、自分で洋裁するための雑誌のお話から。この頃は、洋服の作り方の紹介が中心で、雑誌には型紙がついていたそうです。そんな中、洋服を購入することを前提としたファッション雑誌『an・an』が創刊されました。鮮やかな色合いとオールグラビアでファッションを楽しむことを前面に押し出した誌面は、当時とても衝撃的だったそうで、それに続き『non-no』や『JJ』など今でも馴染みのある雑誌が次々と創刊されていきました。

 
▲『JJ』や『Cancam』『Zipper』『mini』『egg』『ageha』『SPRiNG』『sweet』など次々紹介される雑誌に、会場のみなさんも当時を思い出しながら楽しそうにスライドを見つめていました。一方で、”出版社は雑誌の購読者の前後の層を取り込むために姉妹雑誌を作る”や、”景気が良い時は、大人の女性ファッション雑誌が盛り上がり、不景気の時は、景気に左右されない10代のファッション雑誌が盛り上がる”など、ファッション雑誌を通時的に捉えることで初めて気付かされるお話もあり、これまでに聞いたことのない女性ファッション雑誌の”歴史”に興味は尽きませんでした。

 
▲目から鱗が落ちるようなお話を次々と披露してくださった加藤先生。実は百貨店史が専門で、現在は東北大学史料館で、東北大学を始めとする大学史や、公文書管理、アーカイブズなど幅広い分野の研究に携わっています。今回も”女性ファッション雑誌”という、知識の幅広さを窺い知らされるテーマでお話いただきましたが、小川さんとのトークの中で、“実は女性にモテるために女性ファッション雑誌を読み始めたのがきっかけ”というエピソードが明かされ、『Cancam』の一読者として”エビちゃん(蛯原友里)”がプロデュースしたアイテムの購入を真剣に悩んだこともあったというお話の時は会場全体が笑いに包まれました。

第一線で活躍する専門家のお話を、気軽な雰囲気の中で聴くことができるミュージアムトークテラス。加藤先生の、知識が豊富で親しみやすい人柄に触れることで、東北大学史料館の新しい魅力を見つけるきっかけになれば幸いです。


▲会場に素敵なトークを届けて下さった加藤諭先生、小川さなえさん、ありがとうございました! ぜひ、お二人が出演するラジオ「小川さなえのなるほど歴史講座」や、加藤諭先生が普段活躍されている東北大学史料館にも足を運んでみて下さい!

 

 
 
▲最後に、美味しい飲み物と食べ物でトークに花を添えていただいた会場のカフェをご紹介します。今回の会場は、せんだいメディアテークの1階にあるクレプスキュールカフェ。ベルギービールの老舗ブラッセルズの系列店ということで、ベルギービールはもちろんカフェメニューやフードメニューも充実した開放的な空間で落ち着いたひとときを過ごせるカフェです。こちらもぜひご利用下さい!

 

(事務局・帖地)

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