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コラム
八木山動物公園ビジターセンターについて

 八木山動物公園ビジターセンターが、南門に4月17日(土)オープンしました。このビジターセンターは、将来地下鉄東西線が開通した際に、(仮称)動物公園駅から接続する正門入口の機能を持ちます。
ビジターセンターには、来園者の皆様が野生動物とその生息環境に興味を持って学習していただけるように、動物の剥製や骨格標本の展示、並びに前回レポートしましたシジュウカラガン羽数回復事業の紹介等を行うコーナーなどを設けた展示室と、動物や自然に関する講習会などを開催できる研修室、更に休憩所、売店、管理事務所などが入っています。今回は楽しく学べる展示室を紹介しましょう。

ホッキョクグマ展示コーナー

入園券売場を過ぎてビジターセンターの展示室に入ると、最初のコーナーがホッキョクグマ展示コーナーです。北極圏で暮らすホッキョクグマを、剥製を使いリアルに再現しました。ホッキョクグマが氷海の隙間から顔を出すアザラシを、捕食のために狙う様子を展示しています。氷上で滑らないように、毛が生えている足の裏を見ていただけるような工夫もされています。地球温暖化の影響により生息環境が脅かされているホッキョクグマを、より詳しく入園者に知ってもらうための展示です。また、ホッキョクグマの体の秘密を、仕掛け付の解説パネルで知ることができます。剥製のホッキョクグマは、八木山動物公園で2004年9月1日に死亡したオスの愛称「ホクト」で、1985年に推定一歳六ヶ月で来園しました。

ホッキョクグマ

シジュウカラガン展示コーナー

次のコーナーは、シジュウカラガンの展示です。かつての仙台の冬の風物詩であったシジュウカラガンの群れが、約7mの吹き抜けの上空に蘇りました。ペーパークラフト製シジュウカラガン20羽を天井から吊り下げて、ガン類の特徴的なV字編隊飛行を展示しました。シジュウカラガンと一緒に渡ってくるマガンとヒシクイも一緒に展示しました。八木山動物公園が行っています渡り復活と羽数回復事業により、近年は国内への飛来数も増えてきました。この展示が宮城県の伊豆沼周辺だけでなく、仙台市の上空で見られるのも、夢ではなく現実味を帯びてきました。また、シジュウカラガンの一生や渡りについて、解説パネルやパンフレットにより、わかりやすく説明してあります。

キリンその2キリンの像
キリンは、アフリカ中部以南のサバンナや疎林に住み、もっとも背が高い動物です。八木山動物公園では、キリンが住んでいる環境を、生息地に似せた「アフリカ園」でシマウマと一緒に展示することにより来園者にお見せしています。今回ビジターセンターの展示室で、実物大キリン(4m80cm)のダンボール製の像を展示したことにより、「もっとも背が高い動物」の高さを、間近で体感できるようになりました。キリンの高さを体感し、その後生息環境に似せた「アフリカ園」でキリンの実物をご覧になることにより、これまで以上にキリンの生態を詳しく知ってもらえるものと思います。

剥製と骨格標本の展示

八木山動物公園は、開園以来、死亡した動物を出来るだけ剥製や骨格標本にして、貴重な資料として保存してきました。ただし、これまで園内に展示スペースがなかったため、管理事務所に保管し、小中学校等が職場訪問等で来た際の利用に限られていました。今回ビジターセンターに展示室が出来たために、漸く来園者の方々が自由にご覧になれるようになりました。今回は展示物の一部をご紹介しましょう。ホッキョクグマ展示コーナーの向かい側に、草食動物と肉食動物の骨格標本を展示し、草食と肉食での歯の形態の違いを比較できるようにしました。また、宮城県に渡ってくる代表的な冬の渡り鳥のマガン、オオヒシクイとハクチョウや仙台市内で見られる野鳥などの剥製も数多く展示しました。更に、ただ剥製や骨格標本を展示するだけでなく、出来るだけわかりやすい説明文を付けるように心掛けました。ビジターセンターが完成したことにより、動物公園を訪れる楽しみがまた一つ増えたことになります。是非八木山動物公園にお出で下さい。次回は、『動物』をテーマに、仙台文学館の学芸員が所蔵資料の絵本と絡めてレポートを行う予定です。どんなお話しが聞けるか楽しみにしてください。

仙台市八木山動物公園 学芸員 阿部敏計

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