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コラム
仙台市縄文の森広場と猪

 縄文時代と動物との関わりといって、真っ先に思い浮かぶのは狩りでしょう。その対象となる動物の代表は、貝塚から骨が多くみつかり、縄文時代の人々が総じて好んで捕えたとされる鹿と猪です。
 動物は当時の造形にも登場します。犬、熊、猿、鳥…など、身近に生息していたと思われる動物が、その姿を象った焼き物(土製品)や土器の文様として表されています。ところが、これらの造形に鹿はほとんど登場しません。一方、猪は多くの意匠があり、特別な意味合いのある動物だったと考えられています。

 猪は現在一般的にイノシシと書きますが、もともとヰノシシが正式のようです(確かに干支では「ゐ」と書くことが多いですね)。ヰはその鳴き声が“ウィ”と聞こえることから、シシは肉の意が転じた“(食用にする)獣”からで、「ウィ(と鳴く)・(食用)獣」が名前の由来とも言われています。
 農作物を荒らす害獣、あるいは猪突猛進などの四字熟語から、気性の激しいイメージがありますが、本当はかなり臆病で用心深い性格だそうです。普段は人の目に触れないように細心の注意で行動しているらしいのですが、うっかり人に出会ってしまうとパニックとなって猪突猛進の暴れっぷり・・・。

▲縄文の森広場館内のあちこちにイノシシが

 そんな猪が相手を威嚇するときにみせる特徴が「たてがみを逆立てる姿」。この姿を見事に表現した土製品が、当館のあちらこちらに置いてあります。絶妙なバランスの目鼻口、ピンと立った耳、そして短めな四肢、凛々しい尻尾などなど、写実的な表現が随所にみられます。そして、甲高く張り出した背中は「毛を逆立てている」様子に見えませんか?

 実はこのイノシシ形土製品、青森県は弘前あたりに、およそ3000年前に住んでいた方の作品(青森県弘前市十腰内遺跡出土、縄文時代後期)をまねて当館スタッフが作成した物です。優れた観察眼と造形技術、美的感覚を持っていた縄文時代の人々の技には驚くばかりです。

▲ボランティア手作りのイノシシとウリボウの土製品セット(450円)

 そんな技と暮らしを体験できるのが縄文の森広場です。十腰内遺跡のイノシシ形土製品づくりにも挑戦できますよ。すぐにでも欲しい方は、ボランティア手作りグッズとして、北海道函館市日ノ浜遺跡出土のウリボウをモデルにした作品とセットで450円にて販売もしています。

 次回は、地底の森ミュージアム(仙台市富沢遺跡保存館)からの予定です。どんな動物に関するレポートかお楽しみに。

仙台市縄文の森の広場 平塚 幸人

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