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SMMA東日本大震災 ミュージアム被災と復旧レポート
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コラム
メディアテークというテーマパーク!?

せんだいメディアテークは美術館でもなく、博物館でもない。ちょっと変わったことをやる不思議な施設。開設されて以来ずっと気になっていた場所だ(開設時、私はずっとメディアパークという名称だと思い、てっきり公園や遊園地のような遊び場だと信じていた)。

そんなsmtで体験した夏の10日間は実に濃厚で刺激的だった。 前半の5日間は「青葉縁日3」というイベントの会場内監視員や活版印刷ワークショップのスタッフとして働き、現場で来場者の方とリアルに接することが多かった。
モノづくりをしている身として、会場内の作品と来場者の反応や距離感というものに興味があり、この機会に観察してみた。物を作った企画者でもなく来場者でもない、スタッフとしての客観的な立ち位置で いることが初めてであり、思い思いに作品で遊ぶ人々の反応や笑顔を間近で見るることができた。今では貴重な活版印刷のワークショップでは、私自身も参加者同様初めて活字に触れた。

道具の仕組みや組版のコツ等を参加者の子供たちに伝えるのだが、彼らがほーっと聞き惚れるような説明をしなければならない。こうした現場で学んだことは大きく1つ。学芸員はコミュニケーション能力が大事だということ。作品や物からでは伝えられないことは、言葉や説明で補い、人と物との距離関係を縮めさせていくのだろう。また、現場での新しい発見から意見の言い合い、感動の共有、改善への共同作業といった実習ならではの同じ学生同士の交流も充実した。

一転して後半数日間は地下二階に閉じこもり、座学や収蔵庫整理を行う。収蔵庫は徹底した温度湿度管理がされており、重い扉が二重になっている。そこで黙々と絵画の傷をチェックしたり、今までsmtが行ってきたイベントのチラシや資料の整理整頓を行うのだが、地味なようで実は結構楽しめた。

smtのチラシはデザイン性に富んでおり、触れるだけで面白く、時系列に並べてみるとそのデザインの流行やsmtの重ねて来た歴史を目の当たりにし、感慨深い物があった。 私がsmtをテーマパークのような遊び場だと誤解していたことも、あながち間違いではないじゃないか。様々なイベントやワークショプを開催して人々を巻き込む様は、試行錯誤を重ねて変化し続けていく大きな実験場のような場所なのだと気付く。 大学四年の夏なんて大変な時期にわざわざ実習を受けるとは無駄だと思う人もいるだろう。資格がとれても学芸員になれるとは限らない現実がある。
しかし、社会に飛び出して働き出す前に、smtという刺激的な現場で過ごした日々の出会いや感じたことは、必ずや将来の自分へ実を結ぶと思う。私もsmtのように世の中に物事を驚きと楽しさ、そして喜びを広める発信者へと成長していきたい。

東北芸術工科大学四年 黒川美怜

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