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ミュージアムユニバース〜すてき・ふしぎ・おもしろい〜2018レポート

3年ほど前のミュージアムユニバースの会場で、4、5才位の男の子を連れた女性と少し言葉を交わす機会がありました。「去年もミュージアムユニバースに来たんです。とても楽しく子どもも喜んでいたので、今年もきっとあるんだろうと、とても楽しみにしていたんですよ」と嬉しそうに話しをしてくださったのが今でも強く印象に残っています。

今年度もせんだいメデイアテークを会場とし、12月14日のミュージアムトークサロンを皮切りに、15日、16日の2日間にわたってミュージアムユニバースが開催されました。折しも14日は定禅寺通光のページェントの開会式の日。点灯した欅並木の光の粒の一つひとつが、ミユージアムユニバースが今や冬の定禅寺通の風物詩になったことを祝っているかのようでした。

オープンスクエアに設えられた会場には今年も親子連れやカップルをはじめ、たくさんの市民が来場して下さいました。高齢者の姿も少なくなかったのも印象に残ったことのひとつです。展示のパネルや地図を見ながら、「島崎藤村は駅東のここらあたりに住んでいたんだよ。その頃は荒浜の海岸の波の音が聞こえてきたっていうんだっけね」という話や自分の若かったころの記憶をホスト役の学芸員と話し込む方の姿。体験の広場で真面目な表情で取り組む子どもたちの姿。そして子どもづれではない大人たちもいろいろな体験メニューに取り組んでいる姿が数多く見られたのも今回の特徴だったと言っていいのかも知れません。

トークとイベントの広場では出演する参加館のスタッフの話に身を乗り出して聞き入る人の姿も。でも、それは当然なんです。なんて言ったって国内に数少ない石器を作れる人が目の前で作り方を実際に見せてくれたり、万有引力を発見したニュートンが科学者というよりむしろ錬金術師で、しかも性格の良くない人物だった!なんて、来場した誰も知らない初耳の話をしてくれたりするのですから。どんどん興味が広がり、もっと知りたくなった、関係する本を読んでみたくなったのは決して私一人ではないと思います。

今年のミュージアムユニバースの締めくくりはミュゼバトル5。会場の笑いを誘いながら、優勝を左右するのは決してミュージアムの中身だけではないという大事なことを教えてくれたのでした。来年のプレゼンテーターにも大いに期待したいところです。

3年前に会場でお会いし言葉を交わしたお二人。今回も来てくれたのかな・・・そんなことを思いながら会場を後にしたのでした。

(文:せんだいメディアテーク副館長 遠藤 俊行)

 


▲東北大学総合学術博物館「古代ローマの戦闘技術と「パクス・ロマーナ」」

 
▲仙台市歴史民俗史料館「仙台古地図の旅」


▲東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館「型紙を使ってミニカードを染めよう」


▲スリーエム仙台市科学館「色が変わる?! 不思議なカードをつくろう」


▲仙台市縄文の森広場「石のわれ方、わり方おみせします」


▲東北大学総合学術博物館「ニュートンの愛した錬金術〈アルケミー〉」

 
▲せんだいメディアテーク「ミュゼバトル5 〜わたしのイチ押しミュージアムはコレよ!〜」

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