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SMMAクロスイベント「きみも富沢博士!~みる・しる・さわる かせきの”ひみつ”~」参加レポート

今回は、2020年2月15日(土)、16日(日)に開催したSMMAクロスイベント「きみも富沢博士!〜みる・しる・さわる かせきの”ひみつ”〜」に参加してきましたので、その様子をご紹介します!


”クロスイベント”の魅力は、得意分野が異なるミュージアムが連携することで、1つのミュージアムに行っただけでは味わうことができない特別な体験ができることです。今回は、地底の森ミュージアムと、東北大学総合学術博物館、そして東北大学総合学術博物館を拠点に活動する学生主体のミュージアム支援団体・みちのく博物楽団が、”かせき”にちなんだイベントを実施しました。

 
▲最初に登場したのは、”珪化木(けいかぼく)”や”埋もれ木”、富沢遺跡で発掘された木の根などの木の化石です。直接触ったり、スマートフォンやタブレットに取り付けることができるマクロレンズを使いながら、じっくりと木の化石を観察しました。

 
▲ひととおり観察すると、みちのく博物楽団の学生さんたちが、木には寒い地域に生息する樹木(針葉樹)と暖かい地域に生息する樹木(広葉樹)があることを説明をしてくれました。説明を受けて、富沢遺跡で見つかった木の根や実を見てみると、”アカエゾマツ”によく似た”トミザワトウヒ”や”グイマツ”、”チョウセンゴヨウ”といった北海道などの寒い地域に生育している針葉樹が多く見つかっているようです。このことから、富沢遺跡があった今から約2万年ほど前の仙台の年間平均気温は、今よりも7~8℃程低く、ちょうど今の北海道北部やサハリン南部くらいの気候だったことが分かってきます。

 
▲次は、”タカハシホタテ”や”センダイヌノメハマグリ”など、仙台市内で見つかった貝の化石を観察しました。みちのく博物楽団の学生さんのお話によると、貝の化石が見つかったことで、昔仙台は海だったこと、さらにホタテが北海道や東北のような寒い地方の浅い海を好むことから、”タカハシホタテ”が見つかった辺りの海は冷たくて浅い海だったことが分かるそうです。

 
▲こちらは、子どもも大人も大興奮の亘理町で見つかった”メガロドンの歯”! メガロドンは比較的暖かい海に生息していた大きなサメの一種ということで、海で暮らす生き物や、陸で暮らす生き物の化石からも当時の環境を知ることができるそうです。ちなみに、生物の痕跡として、富沢遺跡からはシカのフンの化石が見つかっています。

 
▲ところで”昔の仙台”とはどれくらい”昔”のことなのか、地球誕生まで遡る地質年代の表や、日本の時代区分を長さで表した巻物を使って分かりやすく解説してもらいました。富沢遺跡が見つかったのは、今から約2万年前の旧石器時代。約46億年という長い地球の歴史からするとほんの最近のように思える旧石器時代ですが、日本の時代を記した巻物を、現在から”平成”、”昭和”、”大正”とくるくる広げて遡っていくと、とても長い”縄文時代”が現れてびっくり! その次に縄文時代よりさらに長い”旧石器時代”が現れてまたもやびっくり! 巻物を全て広げきると部屋いっぱいの長さになっていました! 歴史の長さを距離として体感することで、旧石器時代が今よりどれくらい古い時代のことだったのか分かりやすく実感することができました。

 
▲化石について学んだ後は、地底の森ミュージアムの学芸員・鈴木さんの案内で館内を見学しました。地底の森ミュージアムの地下展示室には、約2万年前の森の跡やたき火の跡がそのまま保存・展示されており、ここでしか見ることのできない貴重な景色が広がっています。先程は植物の化石から、富沢遺跡があった時代は今よりも寒かったことが分かりましたが、鈴木さんのお話によると、遺跡から見つかった植物や昆虫の化石からも、当時の森がどんな姿をしていたのか知ることが出来るそうです。例えば、富沢遺跡からは針葉樹以外にも広葉樹の葉っぱの化石なども見つかっており、昆虫についても、水の中で暮らす昆虫の化石や、陸で暮らす昆虫の化石や湿地に生息する昆虫の化石が見つかっています。それぞれの植物や昆虫が見つかった場所を知ることで、約2万年前の森の植物の種類やどのあたりに水辺や湿地があったのかが分かってくるそうです。展示室の解説に使われている当時の富沢遺跡の姿を描いたイラストは、これまでに見つかった化石から分かったことをもとに、とても忠実に再現して描かれているということでした。

 
▲館内の見学を終えて研修室に戻ってくると、そこには富沢博士に扮した東北大学総合学術博物館の鹿納先生の姿が! ここからは博士と一緒に机に並べられたいろいろな化石の”ひみつ”にせまっていきました。並べられた化石の中で特に人気だったのはアンモナイト! 1番大きなアンモナイトの化石はとても重たくて両手で持つのがやっとの子もいる程でした。不思議な形をしたアンモナイトは、見れば見るほど、触れば触るほど疑問が湧いてくるようで、気になった点を次々博士に質問すると、博士はアンモナイトがどんな生き物だったのか、どのようにして化石になったのか、どんな研究が行われているのか、などを最先端の研究成果を交えながら色々なことを教えてくれました。

 
▲みちのく博物楽団の学生さんたちも、外見はそっくりに見えるアンモナイトとオウムガイ、それに巻貝が、殻の中を見てみると実はあまり似ていないことが分かるということを、それぞれの断面や巻貝のCT画像を三次元化したデータから再現した殻の断面図を使って教えてくれたり、アンモナイトが生きていた頃の姿を再現した模型を使いながら、アンモナイトは実はイカに近い生き物と考えられていて、深海性のイカの中に、アンモナイトのような殻を体内に持つ”トグロコウイカ”という生き物がいることなどを分かりやすく教えてくれました。

 
▲今回のイベントでは、普段なかなか触ることができない化石に触れたり、間近で観察することができて、とても貴重な体験をすることができました。また化石について詳しく知ることが、地域の遺跡や歴史についてを知ることに繋がることがよく分かり、地底の森ミュージアムと東北大学総合学術博物館のコラボレーションならではの特別なイベントだったと感じています。化石についてもっと詳しく知りたくなった方は、ぜひ2つのミュージアムに足を運んでみてください。東北大学総合学術博物館では、毎週土曜日にみちのく博物楽団の学生さんによる展示解説『スポットガイド』を開催していますので、ぜひそちらもご利用ください!

※東北大学総合学術博物館は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2月29日(土)から当面の間、休館しております。再開しましたらぜひ足をお運びください。

(事務局・帖地)

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