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SMMA東日本大震災 ミュージアム被災と復旧レポート
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鉄道交流ステーションはじめましてレポート

今年からSMMAに参加した4つの参加館をご紹介する「はじめましてレポート」。
第2弾は8月4日より企画展が始まりました東北福祉大学・鉄道交流ステーションをレポートいたします。

 

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東北福祉大学・鉄道交流ステーションは、JR仙台駅から仙山線で約10分、東北福祉大前駅の目の前に立つ東北福祉大学ステーションキャンパス内にあります。2007年、東北福祉大前駅の開業をきっかけに作られた資料館です。
実は仙山線は1954年(昭和29)から57年(昭和32)にかけて、国鉄による「交流電化試験」が行われた路線です。鉄道交流ステーションの学芸員である鈴木さんのご説明によれば、「交流電化試験」とは、戦後の鉄道の電化を地方に延ばしていくにあたり、より経済的に進めるためフランスで実用化に成功していた交流電化方式が日本でも実現できるかどうかを調査するため行われたもの。この交流電化試験の成功が、日本における鉄道の近代化ばかりでなく新幹線の開発に大きく貢献したのだそうです。
鉄道交流ステーションはそんな仙山線の沿線にある鉄道資料館として、鉄道の歴史や文化、地域と鉄道とのつながりをテーマにした展示を行っています。

 

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ステーションキャンパスの入口にでんと展示されているこれは455系電車の車軸。後ろには機関車のシルエットと鉄道のプレートが見えます。

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車軸の左上には「TFUスカイトレイン」と書かれた大きな看板が。
これについてはのちほど。

 

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鉄道交流ステーションの入口はステーションキャンパスに入ってすぐ左側にあります。入口の手前に設置された緑の椅子はどう見ても電車のそれです。
実は写真に写っていない左側では鉄道の映像が上映されているので、さながら電車に乗った気分で鉄道の姿を観賞することができます。

 

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今年度の鉄道交流ステーションでは第25回企画展を
「鉄道の復興 その時、今、あした」と題し、東日本大震災で被災した鉄道の復旧までの足取りと現状、新たな課題をとらえる企画展を開催しています。
企画展はⅠ期とⅡ期に分かれているのですが、この日は「第Ⅱ期 鉄路の復旧と思いをつなぐ町づくり -JR石巻線と女川町、JR仙石線と東松島市、JR常磐線と山元町・新地町-」の開催初日でした。今期は2017年の復旧に向け工事が進められている常磐線(浜吉田〜新地間)を中心とした展示になっています。復旧の様子を伝える写真や復旧工事関係の資料など、様々なところから集められた展示品がずらりと並んでいます。
(右:「つなげよう常磐線」と書かれたダンプのマスク。常磐線と平行している国道6号線からよく見かけることがあります。)

 

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中央にでーんと横たわるこちらは、展示室に常設されている「Nゲージ」(軌間(左右のレールの間隔)が9mmの鉄道模型のこと)です。これまでは展示室の窓側に置かれていましたが、今回の企画展に合わせレイアウトを一新し、常磐線復旧路線のイメージ模型を展示しています。

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常磐線の電車や新幹線が独特の音を立てて走る様子に見入る親子の姿もありました。「常磐線のまわりを新幹線が滑走するのが気持ち良い(鈴木さん)」Nゲージをぜひごらんください。

 

さてここで先程の看板に書かれていた「TFUスカイトレイン」に移動してみましょう。
「TFUスカイトレイン」とは鉄道交流ステーションの奥にある鉄道模型館の愛称です。本来は土曜日だけの開館なのですが、この日は模型館の館長さんがメンテナンスをしているところにお邪魔させていただきました。

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大きい。

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大きいです!

休館日なので車両は走っていませんでしたが、ラインゴルト鉄道がいきなりかっこよく並んでいます。

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部屋いっぱいに広がるHOゲージ(縮尺1/87・軌間16.5mmの鉄道模型のこと)の鉄道模型には、全体で約200メートルのレールが使われています。しかもこのレール、模型館館長である菊地公一特任教授の手によってどんどん伸びているというのです。
そもそも模型館は、菊地館長の先輩にあたる故盛田正治理学博士(松本歯科大学教授)が、ドイツのおもちゃメーカー・メルクリンの鉄道模型を東北福祉大学に寄贈されたことがきっかけでした。
「子どもたちが楽しめるような鉄道模型館を作ってほしい」。
菊地館長は盛田博士のそうした遺志を受け止め、お一人で模型の設計・製作を開始。2013年に模型館が開館した後も、盛田博士の夢見た模型館を目指し、日々製作に取り組んでいます。

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手前に写っている円形の車両倉庫に、盛田博士の寄贈されたメルクリンの蒸気機関車は並んでいます。

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この日も館長は黙々と模型の製作に取り組んでいらっしゃいました。
これは独立したNゲージ模型のレールのカーブを改造しているところ。カーブが急すぎると車体の長い車両はカーブを曲がりきれずレールから外れてしまうので、カーブを緩やかにすればレールを走る車両の種類を増やせるのだそうです。

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改造した螺旋状のレールを箱根登山鉄道が走ってみると、上り坂もぐんぐんと上ることができました。

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このレール、車両がぐるぐると渦を描きながらレールを上ったり下ったりする様子が見ていて楽しいのですが、二つの車両を同時に走らせても一向に衝突しないのです。一方通行かつ一繋がりなのになぜだ……?と思っていたのですが、実は一番上と一番下に駅があり、双方が停止することで間合いを調節しているのだそうです。よくできていますね。

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三本並んでいる路線のうち、一番外側が日本車両用の直流電流のレールです(ちなみにメルクリン社製のレールは交流電流だそうです)。開館日の土曜になると、ボランティアの模型好きの人々が自慢の車両を持ち寄ってこのレールの上を走らせ、内側のレールを走るヨーロッパの車両がそれを追いかけて行くのだとか。
「時空を超える夢の空間ですよ」という鈴木さんのお言葉に、盛田博士の抱いた夢が偲ばれるのでありました。

 

第25回企画展「第Ⅱ期 鉄路の復旧と思いをつなぐ町づくり -JR石巻線と女川町、JR仙石線と東松島市、JR常磐線と山元町・新地町-」は11月7日(土)まで、スカイトレインは企画展会期中の毎週土曜日、みなさまのご来館をお待ちしています。
(8月11日(火)~15日(土)は臨時休館しています)

(SMMA事務局 吉田)

 

 

【東北福祉大学・鉄道交流ステーション】
開館時間:
◯展示室 火曜日~土曜日 10:00~16:00
◯鉄道模型館 土曜日(展示室開館の期間内) 11:00~16:00
*模型館では午前10:00から展示室受付で入場整理券をお渡ししています。
休館日:毎週日曜日・月曜日・祝日
このほか展示替え期間中、および大学の休業日・試験日などの都合により臨時休館する場合がございます。詳しい情報はホームページをご確認ください。
入館料:無料
住所:〒981-8523
宮城県仙台市青葉区国見1丁目19−1
東北福祉大学ステーションキャンパス3F

【お問い合わせ】
東北福祉大学・鉄道交流ステーション
TEL:022-728-6612(閉館時:022-728-6611)

 

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