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SMMA東日本大震災 ミュージアム被災と復旧レポート
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共生福祉会福島美術館はじめましてレポート

今年からSMMAに参加した4つの参加館をご紹介する「はじめましてレポート」。
今回は、9月16日から特別展を開催中の社会福祉法人共生福祉会福島美術館をレポートします。

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社会福祉法人共生福祉会福島美術館は、共生福祉会の設立者である仙台の実業家・福島禎蔵が、祖父の代から収集してきた美術工芸品を一般に公開し、郷土の貴重な文化財が後世に継承されていくことを願って運営を始めた美術館です。「福島美術館」という館名は、こうした禎蔵の願いを受け継ぎ、福島家の名を後世に伝えていくことを目的に付けられたといいます。
現在3000点余りのコレクションを所蔵する福島美術館は、「街のちいさな美術館」とも呼ばれ、地下鉄南北線愛宕橋駅近くの閑静な住宅街に佇んでいます。

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そんな福島美術館では今年、共生福祉会が設立50周年を迎えたことを記念して、特別展「福島美術館由来考~仙台の起業家・福島禎蔵が遺したモノ~」を開催しています(9/16〜11/23)。

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「福島美術館由来考」では、美術工芸品を数多く収集していた福島家5代目当主・運蔵、6代目当主・輿惣五郎、そして7代目・禎蔵が興した事業や文化への取り組みを取り上げ、それぞれの当主に関わりの深い品々を展示しています。

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例えば菊田伊洲の「雨中瀧図」は、5代目運蔵の芸術への取り組みをはかることができる一品です。
菊田伊洲は仙台四大画家の一人であり、仙台藩の御用絵師でした。伊洲の娘婿である佐久間晴嶽も同様に仙台藩の御用絵師を勤めました。5代目運蔵はこの晴嶽と交流があり、晴嶽とその息子である得楼と鉄園(共に画家)を含む佐久間家の人々を手厚く支援しました。その交流によって福島家には菊田家・佐久間家歴代の作品が数多く収集され、現在福島美術館にて公開されているのです。
このように今回の特別展には、福島家と芸術家たちとの交流によってもたらされた作品や、当主たちの芸術活動によって収蔵された作品などが並び、三代の活動を通して構築されていったコレクションの変遷を垣間見ることができます。

 

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福島美術館の展示では、展示品の足元(赤丸部分)にもご注目。作品を収集した福島家当主の名前や、作品を展覧会に出品した際の記録が一緒に展示されています。展示されている掛軸や工芸品の来歴が、こんなところからも見えてきます。

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ちなみにこちらの展示ケースは、福島家の床の間をモチーフに作られたものだそうです。福島家ゆかりの展示品にとって、これ以上の飾られ方があるでしょうか。

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また、同時開催中の常設展「福島家の宝箱」では伊達家ゆかりの和時計や大正時代の真空管ラジオ、2011年の震災の際にも神棚から落下しなかったという高村光雲刻「聖観音像」などが展示されています。

 

学芸員の尾暮さんは、福島美術館には作品とじっくり向き合える時間が流れているらしいといいます。これは来館した人々が感想をつづる「つぶやきノート」から尾暮さんが気づかされたこと。作品と向き合ったことで自分のこれまでの人生や思い出を振り返り、それを「つぶやきノート」に残して行かれる方が多いのだとか。福島美術館は、訪れる人にそんな素敵な空間を提供してくれる場所でもあるようです。

 

最後に見ていただきたいのは、館内1階から3階の廊下です。床のタイルがこのようにところどころオレンジ色をしています。

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なにかの模様のようにも見えますが、実はこれ、東日本大震災による破損の跡なのです。
福島美術館は東日本大震災によって、建物全体に深刻な被害を受けました。40年以上の月日を経た建物に対する震災の打撃は、美術館の再開も危ぶまれるほど深刻でした。しかし「七福絵はがき募金」への協力や全国からの支援により、震災から1年以上経過した2012年12月、ようやく再開の運びとなりました。

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オレンジ色の新しいタイルは、破損したタイルを交換した跡。そこに書かれた言葉に、復興までの道のりとこれからの歩みを想うのでした。

 

特別展「福島美術館由来考~仙台の起業家・福島禎蔵が遺したモノ~」は、11月23日(月・祝)まで開催しています。

 

(SMMA事務局 吉田)

【社会福祉法人共生福祉会 福島美術館】
開館時間:
9:00~16:30
休館日:
毎週月曜日、毎月第一日曜日、休日の翌日、お盆、年末年始
※展覧会期間中は休館日が変更となる場合があります。
入館料:
企画展 一般400円、70歳以上・大学生300円
常設展 一律100円
※ただし企画・常設展共に高校生以下・障がい者の方(付添1名)は無料
住所:
〒984-0065
 仙台市若林区土樋288-2

 

【お問い合わせ】
社会福祉法人共生福祉会 福島美術館
TEL : 022-266-1535

 

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