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SMMA東日本大震災 ミュージアム被災と復旧レポート
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SMMA見験楽学ツアー⑨伊達政宗生誕450年記念 学芸員リレートークつき ミュージアム周遊政宗バスツアー
ツアー開催日:2017年11月2日(木)【申込期間:10/6(金)〜10/27(金)】
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初代仙台藩主・伊達政宗の生誕450年を迎えた今年、市内のミュージアムでは伊達政宗の実績を振り返るさまざまなイベントが企画されています。

このツアーでは、仙台市博物館瑞鳳殿共生福祉会福島美術館、3つの施設による企画をそれぞれの担当学芸員の案内で鑑賞し、

現在に伝わる貴重な資料・文化財を通じて、政宗、そして伊達家が仙台にもたらしたものを改めて学びます。

ミュージアム見学の間に経ヶ峯での昼食、仙台城跡の見学なども織り交ぜた、1日で政宗通になれる欲張り企画です。

 

■ツアー開催日時:2017年11月2日(木)9:15-15:40 ※満席につき、キャンセル待ちのみ受け付けています。

 

■コース:*今回のツアーでは貸切バスを利用いたします。

9:15 JR仙台駅東口出発

9:30 仙台市博物館着

|  「伊達政宗」展学芸員のレクチャー

|  「伊達政宗」展鑑賞

11:15 仙台城本丸跡・仙台城見聞館見学(解説つき)

12:00 昼食(天龍閣

13:00 瑞鳳殿見学(学芸員の解説つき)

14:20 共生福祉会 福島美術館着

|  「福島家がのこした伊達な文化」展鑑賞(学芸員の解説つき)

15:40 JR仙台駅東口解散

 

■旅行代金:5,900円(昼食代・入館料込み)

■定員:24名(先着順)※最少催行人数20人

■申込期間:10月6日(金)〜10月27日(金)

■申込方法:

10月6日(金)10時より、仙台バスツアーズにてお電話で受け付けます(先着順)。

お申込みの際は詳しい旅行条件を記載した書面をお送りいたします。

事前にご確認の上、お申込みください。

なお、10月27日(金)までに最少催行人数に達しなかった場合は、ツアーはキャンセルさせていただきますのであらかじめご了承ください。

(添乗員:無 食事条件:昼食1回 利用バス会社:仙台バス)

 

■旅行企画・実施:仙台バスツアーズ株式会社(9:30-18:30、土日祝休み)

〒980-0803 仙台市青葉区国分町2-1-15 猪股ビル5F

TEL: 022-224-3771 / FAX: 022-224-3778

一般社団法人全国旅行業協会正会員・宮城県知事登録旅行業第2-97号

総合旅行業務取扱管理者 伊藤節子

 

【問い合わせ】

仙台・宮城ミュージアムアライアンス事務局

〒980-0821 仙台市青葉区春日町2-1(せんだいメディアテーク企画・活動支援室内)

TEL: 022-713-4483 / FAX: 022-713-4482

E-mail: office@smt.city.sendai.jp

 

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レポート
SMMA見験楽学ツアー⑨伊達政宗生誕450年記念 学芸員リレートークつき ミュージアム周遊政宗バスツアー レポート

ミュージアムの専門家の視点から、仙台・宮城の知られざる魅力を探るツアー企画「SMMA見験楽学ツアー」。2017年11月2日(木)に実施した第9回は、伊達家にゆかりのある3つのミュージアムと仙台城本丸跡を巡り、2017年に生誕450年を迎えた初代仙台藩主・伊達政宗の足跡をたどりました。今回は特別に、佐々木徹さん(仙台市博物館学芸員)、加藤寛さん(公益財団法人瑞鳳殿学芸員)、尾暮まゆみさん(社会福祉法人共生福祉会 福島美術館学芸員)の3名を案内人にお迎えしました。

「独眼竜」の異名を持つ伊達政宗は言わずと知れた戦国武将。みなさまどんなイメージを思い浮かべますか?黒い眼帯を付け、戦乱の世を豪快に駆け抜けた、派手な人物…などなど。

では、実際はどのような人物だったのでしょうか。

今回は、現在の仙台、宮城の礎を築いた政宗について、その生涯と事績、そしてそれらが後世にどのように受け継がれてきたのかについて貴重な資料と案内人のみなさんによる解説から改めて振り返るツアーとなりました。

 

ツアーは仙台駅から出発し、まず仙台市博物館へ向かいます。

 

仙台市博物館では、特別展「伊達政宗―生誕450年記念」が開催中でした。鑑賞の前に、特別展の担当学芸員である佐々木さんから特別展の見どころを中心にレクチャーしていただきました。

▲一人目の案内人、佐々木さん。

 

 

 

今回の特別展では、政宗に関する資料をはじめ、仙台の歴史や文化に関する貴重な資料約230点が展示されていました。なかには国宝や重要文化財、ユネスコ記憶遺産に指定・登録されている資料も多数ありました。これまで仙台市博物館で開催されてきた政宗に関する展覧会では最大規模のものとなったそう。「動乱の世を駆け抜け、泰平の世を生きた政宗を、様々な視点から見つめ、その人物像に迫る展覧会になっているはず」と話す佐々木さん。この言葉通り、展覧会では政宗に関する本物の資料によって政宗の生誕から死、そして死後を辿って紹介されていました。

▲いよいよ展示室へ。

〈プロローグ 描かれた「独眼竜」〉から特別展は始まりました。両目の入った肖像画も残されていますが、政宗は幼少期に右目を失明しています。親から授かった姿の一部を失うことは不孝であると気にしていたため、死後の肖像には「両目を入れて欲しい」と生前語っていたという話もあり、そのため両目が描かれた肖像画が残っているのだとか。また黒い眼帯のイメージが強いですが、実際の姿は眼帯を付けておらず、右目をつぶったような状態だったのではないかとも考えられているそうです。

 

 

〈第1章 戦国武将 伊達政宗〉では、佐々木さんが一番の見どころと推していた刀剣が展示されていました。特に政宗が終生大事にしていた「太刀 鎺国行」は今回が博物館初出品となりました。「鎺国行」という名称は、鎺(刀身が鞘から抜けないように締める金具)に「国行」の文字があるためにそう呼ばれているそうで、刀工・来国行の作品とされています。政宗は、赤い目をした鶴と、その鶴を捕まえた鷹を関白・豊臣秀吉の望みに従って献上し、そのお返しとしてこの「鎺国行」が与えられました。このとき秀吉が政宗に送った礼状とされる「豊臣秀吉書状」も一緒に展示されていました。

こちらは〈第2章 政宗を取りまく人びと—家族と家臣たち〉で展示されていた伊達政宗、伊達成実、片倉重綱の「黒漆五枚胴具足」。この3つの甲冑が揃ったのは30年ぶりだそうです。

そのほか〈第3章 仙台藩主 伊達政宗〉では、藩主・政宗の足跡が紹介されています。本章にも初出品の資料がありました。それは、支倉一行のローマ教皇謁見図の銅版画が挿入されている「伊達政宗遣使録」(ドイツ語版)です。これまで天理図書館の所蔵本のみ確認されていましたが、今回国内二例目の発見となり初公開に至りました。天理図書館本の発見から85年ぶりだそうです。またここでは「仙台城及び江戸上屋敷主要建物姿絵図」が展示されており、次に訪れる仙台城本丸大広間跡の立面図も見ることができました。

〈第4章 政宗の素顔―武芸・文芸・趣味・嗜好〉では、政宗が持っていた鷹狩用の手袋や鉄砲道具、自筆の書や茶入れなど政宗が好んだもののほかに、政宗自筆の献立書きも展示されており、武芸や文芸だけではなく料理にも気を配っていた政宗の日常を垣間見ることができました。

〈エピローグ 政宗の死とその後〉では、政宗が死去した当日の記録や政宗死後に殉死した家臣が詠んだ和歌、瑞鳳殿で発掘された煙管・刀身などの副葬品が展示されていました。

 

佐々木さんにレクチャーしていただいた見どころを中心に観覧しましたが所定の1時間はあっという間でした。これだけの展示資料が集結することは滅多にないそうで、つぎは50年後の生誕500年記念時になるのでは、と佐々木さんもお話していました。

 

▲今回のツアーで訪れる4施設が加盟する歴ネット(仙台歴史ミュージアムネットワーク)恒例イベントの「歴ネットクイズラリー」。4施設すべてで回答し、景品をもらった参加者もいました。今年度のクイズラリーは残念ながら終了してしまいましたが、来年度の開催も楽しみです。

 

▲こちらは2階に設置されているプレイミュージアム。「かぶとをかぶって変身しよう!」と「かぶとをデザインしよう!!」が実施されていました。

 

政宗の生涯を特別展から学んだ後は、藩主としての実績を見るために仙台城本丸跡へ向かいました。仙台城は政宗の命によって仙台・青葉山に造営され、藩政の中心として、また伊達家代々の居城としての機能を果たしていました。

ここからはシークレットゲストとして仙台市文化財課・仙台城史跡調査室長の渡部紀さんをお招きし、解説いただきました。

▲シークレットゲストの渡部さん。

仙台市博物館を出発し、仙台城大手門跡を通ってぐんぐんと急カーブをのぼります。中門跡を通り、少し進むと石垣が見えてきます。詰門跡から先にある石垣は東日本大震災の影響で一部崩れましたが、2015年に修復工事が完了し、現在では整然と並ぶ美しい石垣の全貌を見ることができます。バスはその後、本丸跡を目指します。

仙台城は東に広瀬川、西に「御裏林」と呼ばれる山林、南に竜の口渓谷がある要害の地に築城されました。攻め入る敵の進入を阻むよう登城路も急カーブに作られているそうで、「守るに易く、攻めるに難い」仙台城への道を車中からも体感することができました。

▲仙台城本丸跡に到着しました。写真の奥に伊達政宗騎馬像が見えています。

ここでは藩政や儀式が執り行われた仙台城大広間跡を中心に解説していただきました。

▲こちらは大広間跡です。「千畳敷」とも称されるほどの広さを有していました。現在は、建物を支える柱の場所には礎石が置かれ、畳が敷かれていた部分や板の間は舗装で表現しています。政宗や歴代藩主が座る「上段の間」と呼ばれる部屋がありました。

▲渡部さんのお話を聞いた後は、仙台城見聞館を見学しました。仙台城見聞館内には大広間の復元模型(50分の1)が展示されています。また写真にはありませんが、「上段の間」の床の一部が再現されています。大広間跡の遺構を見学した後は、ぜひ仙台城見聞館でこの立派な建物の姿を想像してみてください。

 

仙台城本丸跡、大広間跡を見学した後は、昼食会場となる旅館「天龍閣」へ向かいました。

 

 

 

▲名物の釜飯定食 山菜釜をいただきました。

▲エントランス前の紅葉も美しかったですが、2階にはさらに素晴らしい眺望が広がっています。晴れた日には仙台城本丸跡に立てられた伊達政宗騎馬像も見られるそうです。

 

おいしいお昼をいただいた後は、伊達政宗の霊屋瑞鳳殿をはじめ伊達家三代の藩主が眠る経ヶ峯伊達家墓所に向かいました。

▲二人目の案内人、加藤さん。

天龍閣を出発し、はじめに立ち寄ったのは瑞鳳寺(正宗山)の門です。瑞鳳寺は、瑞鳳殿の香華院として伊達家の供養などが営まれました。政宗が眠る瑞鳳殿へ向かう前に、伊達家の人々が供養されたこの瑞鳳寺を訪れるのも良いかもしれません。

 

瑞鳳寺を後にし、62段もあるこちらの石段を登り瑞鳳殿へ向かいます。この石段は伊達家の石高が62万石だったことから、62段に作られたそうです(現在は63段となっています)。また石段の両側には杉の木が整然と並びます。戦災で焼失したため、多くが戦後に生育したものですが、何本かの太い杉は瑞鳳殿創建時に植林されたもので、380年以上の樹齢と言われています。

石段を登り切ると観覧窓口に到着します。ここ観覧窓口周辺は加藤さんおすすめの写真スポット。秋の晴れた日には、葉の緑・黄・赤色と空の青色が見え、美しいのだとか。

 

観覧窓口を通ると「涅槃門」が見えてきます。 悟りの境地である“涅槃”は“死”という意味で使われることもあります。その“涅槃”の名が付けられた門の向こう側に政宗が眠る瑞鳳殿本殿があります。

涅槃門の正面には、中国の想像上の動物である麒麟がいます。良い政治家が良い政治を行ったときに現れると中国では言われている麒麟。政宗が仙台藩の礎を築いた事を讃えて麒麟が門に施されたと考えられています。

 

涅槃門をくぐり、裏側を見るとここには麒麟の姿がありません。門をくぐれば“あの世”。そのため麒麟は現れず、あの世とこの世では見えるものが違うということだそう。

 

涅槃門から拝殿まで続く階段も文化財で、全体が史跡となっています。

 

拝殿にあるこちらの扁額は、珊瑚をすりつぶした顔料が使われており、このように珍しいピンク色をしています。白い文字にはすりつぶした真珠が使われているそうです。どちらも風合いのある綺麗な色をしています。

 

拝殿をくぐると見えてくるこちらが政宗の霊屋 瑞鳳殿本殿です。地下3mほどに政宗の遺骨が埋葬されています。

 

煌びやかに彩られた瑞鳳殿本殿は桃山の遺風を伝える江戸時代初期の建築でしたが、1945年に戦災で一連の建物が焼失しました。瑞鳳殿本殿はその後、1979年に再建され、2001年に行われた改修工事によって創建当時の姿を見ることができるようになりました。

瑞鳳殿本殿の屋根四隅には龍がいます。東洋で龍は水を吹くと考えられており、火伏せの神として信じられています。こちらの龍の口をよく見てみると「あ」と「うん」の形をしています。「あ」は始まり、「うん」は終わりを意味しており、修行や人生といった物事の「始まり」から「終わり」までを象徴しているそうです。

 

▲瑞鳳殿本殿四隅には「あ」と「うん」の口の形をした獅子も施されています。

 

瑞鳳殿敷地内には資料館も併設されています。こちらの資料館では、墓所から発掘された副葬品の一部のほか、政宗・忠宗・綱宗の三藩主復元容貌像の展示、墓室発掘の様子を記録した映像等が上映されています。訪れた際には資料館ものぞいてみてくださいね。

 

政宗が眠る瑞鳳殿本殿を解説いただいた後は、二代藩主・忠宗の霊屋である感仙殿、三代藩主・綱宗の霊屋である善応殿を巡りました。

▲こちらの「弔魂碑」は、戊辰戦争で戦没した仙台藩士を弔うために建てられました。

 

 

瑞鳳殿の周囲には緑豊かな自然が広がっており、敷地内にカモシカが現れることもあるそう。自然が広がる土地に眠る政宗を感じながらゆったりとした午後の時間を過ごせたように思います。

政宗の眠る墓所を見学した後は、政宗以降の歴代藩主が残したものについて学ぶため社会福祉法人共生福祉会 福島美術館へ向かいます。

▲加藤さんには福島美術館まで同行いただき、道中もお話いただきました。

 

続いて三人目の案内人となる尾暮さんには福島美術館の概要についてお話いただきました。

▲加藤さんの奥にいる方が三人目の案内人の尾暮さん。

若林区土樋の住宅街のなかに佇む“街の小さな美術館”福島美術館。創設者は仙台の実業家 福島禎蔵で、福島家3代にわたって収集した伊達家旧蔵品や仙台ゆかりの書・絵画・工芸品約3000点が収蔵されています。

このときは企画展「福島家がのこした伊達な文化」が開催されていました。

▲参加者のみなさんには、伊達政宗筆の「鮎貝日傾斎宛書状〈茶の湯の稽古〉」はがきが参加プレゼントとして渡されました。

 

 

 

書に優れ、歌を好み、茶の湯を仙台藩内に取り入れた政宗。それを物語る書や和歌、茶道具、そして掛け軸が企画展では展示されていました。「こういったものが400年もの長い間大事に残されていることが面白い」と語る尾暮さん。「饗応」という大名同士の付き合いにおいて茶の湯と文芸は必須素養の一つであり、政宗は良く嗜んでいました。しかしこのように政宗の優れた教養を示す資料が残されているのも、後に続く歴代藩主も政宗と同じようにそういった素養を身につけ、嗜んできたからだとも言えます。また政宗亡き後、歴代藩主たちは政宗の血筋を絶やさないよう奔走していたというお話も非常に興味深く、それだけ後継者たちにとって政宗の存在は大きかったのだと感じました。

▲解説後、案内人に質問する参加者の姿も見られました。

 

ここでツアーは終わりです。あっという間の一日で、「時間が足りなかった」というアンケートの声もいくつかありました。時間がいくらあっても足りないほど、政宗誕生から現在まで続く仙台の歴史は深いようです。

今回のツアーは、仙台市博物館の特別展と瑞鳳殿で政宗の生涯に触れ、政宗が築城を命じた仙台城を見学し、政宗が残した実績を巡りました。更に福島美術館の企画展では政宗が藩内に取り入れた文化を歴代藩主が継承者となり現在にまで残してきたことにも触れ、これまで知っているようで知らなかった政宗の姿や、政宗以降の伊達家について改めて学ぶ良い機会になったのではないでしょうか。

2017年は生誕450年という節目の年でしたが、歴代藩主が守ってきた資料をこの先も大切に残していきたいと思いました。

生誕500年を迎える2067年までに、現在に残るたくさんの資料からどんなことが解明されるのか、どんな政宗の実像が見られるのか楽しみです。

▲当日、参加者のみなさんにお渡しした旅のしおりです。一日でどれだけ回れるか挑戦してみてくださいね。

(事務局・今野)

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