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仙台・宮城ミュージアムアライアンス事務局
〒980-0821 仙台市青葉区春日町2-1
(せんだいメディアテーク内)
電話:022-713-4483
ファックス:022-713-4482
電子メール:office@smt.city.sendai.jp
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SMMA見験楽学ツアー⑦「鉄道の裏がわ探検ツアー」
2017年6月24日(土)開催 【ツアー参加申込締切:6月14日(水)】
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いつもお世話になっている鉄道を陰で支える現場があります。

例えば、運行を終えた地下鉄の列車が休んだり整備してもらうのは車両基地、

折り返し運転する新幹線に気持ちよく乗ってもらうために、駅には短時間でお掃除するプロ集団が待ち構えています。

ふだんは見たり入ったりできないそんな現場に潜入しつつ、

廃線になった仙台市電の歴史を伝える保存館や、

駅を作った大学が運営する鉄道資料館にも下車してみる鉄道三昧のツアーです。

 

■ツアー開催日時:

2017年6月24日(土)9:30〜15:30

 

■案内人:

鈴木 佳子(東北福祉大学・鉄道交流ステーション 学芸員)

 

■コース:

9:30 仙台市地下鉄南北線「富沢駅」集合

|  富沢車両基地見学(案内:仙台市交通局)

|  仙台市電保存館見学(案内:庄子 喜隆さん)

11:40

|  地下鉄「富沢駅」〜JR「仙台駅」移動

12:00

|  昼食(お弁当)

12:50

|  新幹線清掃の仕事場見学(案内:(株)ジェイアールテクノサービス仙台)

14:20

|  JR「仙台駅」〜「東北福祉大学前駅」移動

14:50

|  東北福祉大学・鉄道交流ステーション「東北福祉大前駅」展、模型館見学

15:30 解散

 

■参加費:

1000円(弁当代・税込)※このほかに交通費等実費が必要です。

 

■定員:

15人 ※小学生は高学年以上、保護者同伴

 

■申込締切:

6月14日(水)

 

■申込方法:

ツアー名、お名前、住所、年齢、電話番号、ファックス番号またはEメールアドレスを明記のうえ、

ファックス・Eメール・往復はがきいずれかの方法で下記の問い合わせ先までお申し込みください。

応募者多数の場合は抽選のうえ、結果をお申し込み時の連絡方法でお知らせします。

(電話での申し込みは受け付けておりませんのでご注意ください。)

 

【お問い合わせ】

仙台・宮城ミュージアムアライアンス事務局

〒980-0821 仙台市青葉区春日町2-1(せんだいメディアテーク内)

TEL: 022-713-4483 / FAX: 022-713-4482

E-mail: office@smt.city.sendai.jp

 

 

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レポート
SMMA見験楽学ツアー⑦「鉄道の裏がわ探検ツアー」レポート

ミュージアムの学芸員の視点から、仙台・宮城の知られざる魅力を探るツアー企画「SMMA見験楽学ツアー」。第7回は、東北福祉大学・鉄道交流ステーション学芸員の鈴木佳子さんを案内人にお迎えし、「鉄道の裏がわ探検ツアー」を実施しました。

集合場所は、地下鉄南北線「富沢駅」。最初の目的地、富沢車両基地へは徒歩で向かいます。

   

 

富沢車両基地で出迎えてくださったのは、仙台市交通局鉄道技術部の齊藤さん、小野寺さん、髙野さん。見学の前に、仙台市地下鉄の概要についてお話いただきました。

1987年7月15日に開通した仙台市地下鉄南北線は今年で30周年。現在では、4両21編成で全84車両が、一日約17万人もの乗客を運んでいます。多くの人に利用されている地下鉄の安全・正確な運行を支えるために、この富沢車両基地では、24時間体制で約200名ものスタッフが働いています。
「車両基地は、電車にとっての家と病院みたいなものです」と説明してくださったのは富沢検修係長の小野寺さん。1日の仕事を終えた車両の大半は富沢車両基地に戻り、留置線で夜を過ごします。そのために、車両基地には広大な敷地が確保されているのです。

いよいよ、検車庫の中へ。留置線が家だとすれば、検車庫は病院です。ここでは、列車検査や月検査など、比較的頻繁に行われる車両検査を行っています。この日は土曜日だったため作業はお休みでしたが、普段見ることのない車輪部分が目前に迫ってくる様子に、子どもも大人も大興奮です。

  

車体下部に詰め込まれた機械のさまざまな仕組みや工夫について説明を聞くなかで、特に参加者が「おー」と感嘆の声をあげたのは、「空気ばね」。車体と台車の間にあるこの丸いドーナツのような部分には空気が入っていて、走行時の車両の振動を吸収する役割を担っているのだそうです。駅での乗降時に「シュー、シュー」といった音が聞こえてくるのは、実はこの空気ばねが乗客数の増減に応じて伸縮しているからなのです。

次は工場棟を見学。ここでは、部品の分解を含む整備や点検など、より時間をかけて行う作業が行われています。広大な空間に、電車に搭載されるさまざまな部品が整然と積み上げられている様子は壮観です。

  

これは、車両の屋根についているパンタグラフ。架線から電車に電流を導き入れる装置です。電線に接触する部分は摩耗が激しく、約半年で交換しなければならないそうです。

  

こちらは超音波探傷機。目視や打診では解らない小さな損傷がないか、超音波を使って検査するもので、電車に使われる車輪や車軸がこの超音波探傷器による精密検査を受けているのだそうです。こういった、細部にわたる厳しい検査が、日々の安全な運行を支えているのですね。

 

あっという間に予定の時刻となり、次は隣接する仙台市電保存館へ。
仙台市電保存館は、1926年から1976年の約50年間にわたり市民の足として親しまれ、愛されてきた市電の姿を現在に伝えるために1991年に開館しました。ここでは、創業当時の木造の1号車(モハ1型)、市電の主力として長く活躍した100型(モハ123号車)、最後の新造車400型(モハ415号車)が、関連資料とともに保存・展示されています。

  

ここで「市電の裏がわ」解説をしてくださったのは庄子喜隆さん。本業は、印章彫刻技能士として原町で印章屋さんを営んでおられますが、仙台市電に大変詳しく、東北福祉大学・鉄道交流ステーション(後ほどご紹介します)の運営サポートをしている「みちのく鉄道応援団」のメンバーでもあるというご縁から、今回の解説をお願いしました。
実物の市電を前に、庄子さん自身が撮影した秘蔵の現役時代の市電写真を紹介しながらお話くださいました。いまは保存館の中で静かに展示されている市電が、写真の中では街中をいきいきと走り抜け、車庫でメンテナンスを受けている姿を見て、市電に乗ったことがある方もそうでない方も、往時の市電の活躍に思いを馳せたのでした。

  

市電保存館見学の後は、富沢駅まで来た道を戻り、地下鉄南北線を使って仙台駅へ。地下鉄構内では、小野寺さんに教えていただいたトンネル内のパンタグラフの形も忘れずチェックします(トンネル内は狭いので剛体架線という設備になり、より深く折り曲がっています)。

 

仙台駅に到着してまず向かったのは「清掃訓練センター」。株式会社ジェイアールテクノサービス仙台副所長の庄子さん、田丸さん、土田さんが笑顔で出迎えてくださいました。

ここ訓練センターは、今回、新幹線の清掃の現場見学にご協力いただく職員のみなさんが清掃訓練を行う研修室です。まずは、この会場をお借りして、昼食をいただきました。「鉄道ツアー」にちなみ、新幹線の車内販売を行っているNRE(日本レストランエンタプライズ)さんにお弁当をご用意いただきました。

  

ボリュームたっぷり、美味しいお弁当で腹ごしらえをした後は、いよいよ新幹線清掃の見学です。
みなさんは、ホームの端に信号機がついているのをご存知ですか?実はこの信号機は、移動禁止表示器と言うもので、清掃スタッフの方が操作しています。

  

乗客が全て降車したことを確認した後、清掃スタッフが赤信号を点灯させるのですが、これが清掃開始のサイン。これを合図に清掃スタッフは一斉に車内に乗り込み、ゴミ集め、座席のリネン交換、座席に付属する折り畳み式の机、窓際、床を拭き上げ、さらにトイレ・洗面台などの清掃を段取りよく進めていきます。こういったさまざまな作業をわずか13分、1両につき約1.5人で清掃を行っているそうです。

    

▲リネンはがし体験もさせていただきました

▲今回は特別に軌道階も見学

車内で清掃が行われている間、ホーム下の軌道階では、トイレに使用する水の給水や、ゴミ箱のゴミを取り卸す作業が同時進行で行われています。
実際に、軌道階からホームに停車した新幹線を見ると、その距離の近さと迫力、吹き出される温風に圧倒されます。そう、鉄道運行の現場は常に危険と隣り合わせ。わずかなミスが安全・正確な運行に影響を及ぼすため、新幹線清掃のお仕事も、正確な技術、そして円滑なチームワークが求められる厳しいお仕事なのです。そんな中でも、笑顔を絶やさず、心遣いに溢れた対応をしてくださるスタッフのみなさんのプロの心意気に、参加者のみなさんもすっかり魅了された様子でした。

 

次は、JR仙台駅から仙山線で移動し、東北福祉大前駅へ。駅から降りてすぐの東北福祉大学ステーションキャンパス内にある鉄道交流ステーションを訪れました。

  

東北福祉大前駅の開業と同年の2007年に開館した鉄道交流ステーションは、今年で開館10周年を迎えます。ツアーで訪れた日は、「鉄道交流ステーション開設10周年記念「東北福祉大前駅」展」が開催中で、同施設の運営委員長を務めていらっしゃる、東北福祉大学教授 星山幸男先生が出迎えてくださいました。

今では、すっかり仙台市民にお馴染みの「東北福祉大前駅」ですが、開業までの道のりは非常に険しいものでした。この企画展では、東北福祉大学が仙台市やJRに建設を働きかけ始めてから実際に出来上がるまで、そして新駅開業でこの地域の街並みや人の流れがどのように変化していったのか、その経過を写真や関連資料等で詳細に紹介しています。
急勾配かつ急カーブが連続するエリアに駅を設置するという難題に、技術者、そして鉄道・大学関係者がいかに立ち向かい、課題を解決していったのか。ノンフィクション・ドラマのひとつも書けそうな「新駅誕生ストーリー」に、鉄道ファンならずとも思わず引き込まれる内容でした。

鈴木さんによると、大学名を冠した鉄道の駅名は、全国的にも珍しいのだそうです。この新駅についても、当初は「(仮称)貝ヶ森駅」とされていたのですが、駅建設のための必要な経費を大学が全額負担したことや、東北福祉大学がこの地域の目印になっていることなどが認められて、最終的に「東北福祉大前」に落ち着いたのだと聞いて、納得。さらに、このステーションキャンパスには、鉄道交流ステーションだけでなく、地域の方々のためのさまざまな施設があるのだということを知り、鉄道だけでなく、さらに、大学が地域に果たしてきた役割についても改めて考えさせられました。

展示見学の後は、すぐお隣にある「鉄道模型館(TFUスカイトレイン)」へ。こちらは、故盛田正治理学博士(元松本歯科大学教授)から寄贈された鉄道模型コレクションを軸に2013年に開館しました。開館以来、館長の菊地公一特任教授が、盛田博士の遺志を受け継ぎ、鉄道模型愛好家のボランティアのみなさんとともに運営しています。

  

メルクリン社(ドイツ製)の精巧な模型車両の美しさもさることながら、さらに驚かされるのが、部屋一杯に敷き詰められたレール。縦横無尽に立体交差する複雑かつダイナミックに設計されたレールの上を、欧州型列車と、日本型の列車が行き交う姿は、見飽きることがありません。本日は、スタッフのみなさんの粋な計らいで、「仙台市電」も元気に走行していました。

「これから、ロープウェイやモノレールも設置したい」と今後の計画を語ってくださった菊地館長。進化し続ける模型館の今後の展開にも期待が募ります。

仙台市内にある鉄道ゆかりの場所を訪ねた「鉄道三昧ツアー」。今回、お仕事見学で、安全・快適な運行のために日々働いていらっしゃる方の技術や心遣いに触れるとともに、2つの資料・保存館では、鉄道技術の発展の歴史だけではなく、鉄道によって私たちの生活がいかに支えられてきたのかを、改めて感じるツアーとなりました。

鉄道交流ステーションでは、鉄道や、鉄道によって育まれてきた文化を、さまざまな視点で紹介する企画展示を年に3回開催しています。「私、鉄道詳しく解らないから・・・」と思う方も、ぜひ訪れてみてください。きっと、新たな発見がありますよ。

当日参加者のみなさんに配布した「旅のしおり」はこちら(SMMA見験楽学ツアー7しおり.pdf)。

(SMMA事務局・林)

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