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SMMA東日本大震災 ミュージアム被災と復旧レポート
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春季展「仙台宝庫~来て!見て!遺そう!たからもの~」
開催期間:2016年04月13日(水) 〜 2016年05月29日(日)
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福島美術館は仙台の実業家・福島禎蔵(1890〜1979)が遺した福島家伝来のコレクションが基本となっています。それらは近世から昭和初期にかけての書や絵画・工芸品・古書など約3000点です。これらの愛蔵品は祖父・運蔵(1820〜1896)、父・與惣五郎(1864〜1938)、禎蔵の三人の当主による政財界人や地元の画家・書家との交流を通じて福島家に収まった美術工芸品です。
福島禎蔵が未来へ遺し繋ごうとしたのは郷土の「たからもの」です。福島美術館は活動に賛同された方々からの寄贈や寄託を受けて、更に内容を充実させて今日に至っています。
今年は東日本大震災から5年目を迎えます。あの震災で多くの方が実感したのは「郷土の文化が人の心を支える」という事ではないでしょうか。文化は守り伝えなければ、未来に繋げることができません。
長い歴史の中で度重なる天災・戦災と様々な災禍がありました。これらをくぐり抜けてきた福島家のコレクションを中心に、宮城県に縁のある画家・書家の作品をお楽しみください。
また今年5月に公開される映画「殿、利息でござる!」にちなみ、仙台藩七代藩主・伊達重村関連作品を紹介する展示コーナーもご用意いたします。
福島美術館の収蔵品を100年先、200年先も遺せますように。

 

■会期:
平成28年4月13日(水)〜5月29日(日)
■開館時間:
9:00〜16:30
■休館日:
毎週月曜、5月6日(金)
■会場:
社会福祉法人共生福祉会福島美術館
■入館料:
一般400円、学生・70歳以上300円
*高校生以下・障害者の方は無料

 

【関連イベント】

◎ギャラリートーク
展示解説の後は、美味しいスイーツでおしゃべりしましょう。
◇日時:平成28年4月16日(土)14:00〜15:30
◇参加費:300円 ※入館券が必要です。
◇申込:電話もしくは受付でお申し込みください。

◎ギャラリートークはスイーツの日
学芸員が展覧会を分かりやすくご案内します。
◇日時:平成28年5月8日(日)10:30〜11:30
◇申込:不要 ※入館券が必要です。

◎心と脳のコミュニケーション
オイルパステルで描く《初夏色コレクション》

講師:さとう芳子氏(臨床美術士)
偶然生み出される面や線の形、色彩を愉しみながら、自分だけの作品に仕上げます。
まずは体験してみませんか?
◇日時:平成28年5月21日(土)13:00〜15:00
◇定員:15名(小学生以上)
◇参加費:500円
◇持ち物:作品持ち帰り用の紙袋。汚れてもよい服装で。
◇申込:4月1日より電話で受付します。
◇締切:5月17日(火)

 

【お問い合わせ・申込先】
社会福祉法人共生福祉会福島美術館
TEL:022-266-1535

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レポート
春季展「仙台宝庫~来て!見て!遺そう!たからもの~」レポート

実は実話らしいですよ、SMMA事務局吉田です。

何が実話なのかはひとまず置いておきまして。今回は社会福祉法人共生福祉会福島美術館で開催中の春季展「仙台宝庫~来て!見て!遺そう!たからもの~」をご紹介します。

 

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「仙台宝庫~来て!見て!遺そう!たからもの~」は、福島家当主たち(運蔵・與惣五郎・禎蔵)が収集してきた美術工芸品のなかから、宮城県ゆかりの画家・書家による作品40点を展示しています。
「たからもの」とは長い歴史のなかで幾多の災害を乗り越え、現代まで伝わってきた地域の文化を表しています。

今年は東日本大震災から5年目を迎えます。あの震災で多くの方が実感したのは「郷土の文化が人の心を支える」という事ではないでしょうか。文化は守り伝えなければ、未来に繋げることができません。(福島美術館ウェブサイトより)

春季展はこうした郷土の文化をふりかえることで、私たちの地域が継いできた「たからもの」を未来に受け継いでいくことの大切さをとらえ直す内容となっています。

 

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「仙台宝庫」といってもここでの「仙台」は現在の仙台市にとどまりません。会場内のキャプションや配付資料では、各作品の画家・書家の出身地などについて解説されているため、仙台の「たからもの」が様々な地域の人々によって生み出されてきたことが分かります。みなさんと同じ出身地の画家・書家もいるかもしれませんよ。

 

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また同じ仙台の画家や書家でも、受け継いだ流派や技法は多種多様。たとえばこれら二つの作品はどちらも鶴を描いたものですが、その主題や描き方はずいぶんと違います。堂々とした姿を写実的にとらえた菊田伊洲の鶴と、正面から見た姿をどこかユーモラスに描いている遠藤臼人の鶴。あなたはどちらがお好みですか?
(画像左(春季展最終日まで展示):菊田伊洲「松上鶴図」 画像右(展示替えのため5月5日(木)まで展示):遠藤臼人「句自画賛「杉苗や」」)

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また展示作品のなかには災害の記憶を描いたものもあります。こちらの作品は熊耳耕年が東京で経験した関東大震災を題材としたもの。崩れる箪笥を支えていた記憶と、外出している子どもたちの安否を気遣う心情とが一枚の絵のなかで渦巻くように描かれ、当時のありさまを伝えています。
(画像:熊耳耕年「南稲荷町耕年宅関東震災実境図」部分)

 

このように、かつて仙台で花開いた文化や過去の災害の様子を伝える資料を観ていくと、私たちの生きている時代が大きな時の流れの一部であることを感じます。いずれ私たちの時代が過去になったとき、未来に伝えるべき「たからもの」とは何か。それを見つめるきっかけになるかもしれません。

 

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さて、今回の春季展にはもうひとつの目玉があります。
宮城県吉岡宿(現大和町)での実話を描いた映画「殿、利息でござる!」公開記念の関連展示コーナーです。
映画に登場する仙台藩7代藩主、伊達重村の関連資料が3階の小展示室にずらりと並んでいます!

映画「殿、利息でござる!」では男子フィギュアスケートの羽生結弦選手が演じている伊達重村。羽生選手のキャスティングをきっかけに、重村について調べた方も多いことでしょう。しかし重村が芸術に造詣の深い藩主であったことはご存知でしょうか。
福島美術館学芸員の尾暮さんによると、文化芸術の面から見た伊達重村の最大の功績は、学僧・南山古梁を瑞鳳寺に迎えたこと。重村に迎えられ瑞鳳寺の14代住職となった南山は、今回の春季展で紹介されている東東洋や菅井梅関、遠藤曰人など、多くの画家や俳人たちとの交流を通じて仙台の文化を支えました。瑞鳳寺を芸術の拠点として江戸後期の仙台の文化が栄えていったのは、南山の才覚を見出した重村の功績であると尾暮さんはいいます。
ちなみに南山と重村が初めて出会ったのは南山13歳の時のこと。二人の出会いについては展示解説をごらんください。

 

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また重村は仙台藩主のなかでも優れた和歌の詠み手だったとか。会場に展示されている「和歌手鑑」には重村の詠んだ歌が重村自身の流麗な書で綴られています。「殿、利息でござる!」でも重村が書をしたためるシーンがありますが、ぜひ重村本人の書もごらんください。会場には重村の和歌や書に影響を与えたという正室・近衛氏年子(惇君)の作品も展示されていますので、比べて鑑賞してみるのも面白そうです。

 

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さらに「重村の先代にはどんな藩主がいたの?」と気になった方は2階の常設展示室へ。仙台藩主に関連する文書や作品をその経歴とともに紹介しています。現在は初代藩主政宗と三代目藩主綱宗、四代目藩主綱村に関する展示を行っていますので、こちらもぜひお立ち寄りください。

 

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最後に映画ファンに嬉しいお知らせをひとつ。福島美術館では会期中に「殿、利息でござる!」の劇場鑑賞券を受付に提示すると、春季展を団体料金で鑑賞できる割引キャンペーンを実施中です。鑑賞券は前売券・半券のどちらでもOK。映画を観る前に、映画を楽しんだ後に、福島美術館で仙台の「たからもの」を堪能してください。

 

春季展「仙台宝庫~来て!見て!遺そう!たからもの~」は2016年5月29日(日)まで開催中です。

 

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