ミュージアムならではの視点で、仙台・宮城をさまざまな角度から観て学ぶことができるバスツアー。ミュージアムや各所で学芸員の解説を聞きながら、歴史に触れて、文化を感じて、新しい発見に出会える旅です。仙台・宮城デスティネーションキャンペーン期間に合わせて、今年は9コースご用意しました。じっくり楽しむなら1日コース、気軽にお出かけするなら半日コース・・・。バラエティに富んだコースからお選び下さい。
☆コース1:大震災と歴史津波の痕跡をめぐる -荒浜・蒲生干潟の今-
■実施日:4月20日(土) 【満席御礼!】、 5月18日(土) 【満席御礼!】、6月15日(土)【催行決定】
■参加費:¥6,480(昼食付)
■行程 :仙台駅西口(10:00 発) → 仙台市博物館 → 波分神社(車窓より) → 荒浜 → キリンビール仙台工場<昼食> → 蒲生干潟 → 仙台市科学館 → 仙台駅西口(17:00 着)
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☆コース2:石巻・まちの復興とミュージアム
■実施日:4月10日(水)【催行決定】
■参加費:¥5,500(昼食付)
■行程 :仙台駅西口(9:00 発)→ サン・ファンパーク → 石巻まちなか復興マルシェ<昼食> → 石ノ森萬画館 → 石巻市街を歩く → 仙台駅西口(17:00 着)
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☆コース3:仙台で味わうアート
■実施日:4月17日(水)、5月8日(水)、6月5日(水)
■参加費:¥3,980
■行程 :仙台駅西口(13:00 発)→ 東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館 → 宮城県美術館 → せんだいメディアテーク(自由降車) → 仙台駅西口(17:15 着)
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☆コース4:SMMA 建築ツアー・Museum×Architect
■実施日:4月27日(土)、5月4日(土)
■参加費:¥3,980
■行程 :仙台駅西口(13:00 発)→ 地底の森ミュージアム → 宮城県美術館 → せんだいメディアテーク:現地解散(16:30)
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☆コース5:みよう!つくろう!どうぶつわくわくたいけん
■実施日:4月13日(土)、5月11日(土)、6月8日(土)
■参加費:おとな ¥4,500
こども(小学生以下) ¥2,500 (※こども料金を設定しました)
■行程 :仙台駅西口(13:00 発)→ 仙台市八木山動物公園 → 仙台市縄文の森広場 → 仙台駅西口(17:15 着)
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☆コース6:はて知らずの旅 -松尾芭蕉と正岡子規の足跡を辿る-
■実施日:5月15日(水)、5月22日(水)【催行決定】
■参加費:¥6,500(昼食付)
■行程 :秋保温泉(7:45 発)→ 仙台駅西口(8:40 発)→ 仙台文学館 → 松島・瑞巌寺 <周辺で昼食> ~観光遊覧船~ 塩竈神社 → 仙台市歴史民俗資料館 → 仙台駅西口(16:00 着)
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※仙台文学館で開催中の特別展「正岡子規 みちのくの旅~はて知らずの記」の情報はこちら
☆コース7:伊達家ゆかりの楽習ツアー-仙台ヒストリー(近世編)-
■実施日:4月24日(水)【催行決定】、5月29日(水)、6月26日(水)【催行決定】
■参加費:¥6,500(昼食付)
■行程 :仙台駅西口(9:00 発)→ 東北大学植物園 → 仙台城登城路案内(徒歩)→ 仙台城本丸跡・仙台城見聞館 → 旧伊達邸鐘景閣<昼食> → 瑞鳳殿 → 仙台市博物館 → 仙台駅西口(17:00 着)*詳しくはこちら
☆コース8:悠久の森を行く-仙台ヒストリー(古代編)-
■実施日:4月26日(金)、5月24日(金)、6月21日(金)
■参加費:¥3,980
■行程 :仙台駅西口(13:00 発)→ 地底の森ミュージアム → 仙台市縄文の森広場 → 仙台駅西口(17:15 着)
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☆コース9:タイムトラベル!明治・大正・昭和の仙台-仙台ヒストリー(近代・現代編)-
■実施日:4月19日(金)、5月17日(金)、6月14日(金)
■参加費:¥3,500
■行程 :仙台駅西口(13:30 発)→ 仙台市歴史民俗資料館 → 仙台市戦災復興記念館 → 仙台駅西口(16:30 着)
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【お申込み・お問合せ】
・下記へお電話でお申込みください(コースによってお申込み先が異なりますのでご注意ください)。
お申込みの際は、コースの名称をお伝え下さい。
<コース1>
宮交観光サービス(株) TEL:022-298-7765 [宮城県知事登録旅行業第2-311号]
<コース2~9>
仙台バスツアーズ(株) TEL:0223-23-6571 [宮城県知事登録旅行業第2-97号]
(先着順。定員になり次第募集を終了いたします。最少催行人数に満たない場合は、催行いたしません。)
2013年4月10日(水)、晴れ。仙台市在住の24名の参加者が仙台駅に集まりました。
バスは9時に仙台駅を出発。一路、石巻へと向かいます。1時間が経つ頃には、車窓から津波による被害を受けた建物や田畑がみえてきました。車内では少しずつ緊張が高まってきます。
SMMA参加館のひとつ、せんだいメディアテーク前副館長の佐藤泰さんが、ツアーの内容や被災前の石巻の様子について語るうちに、バスは日和大橋(ひよりおおはし)、万石浦(まんごくうら)を通って宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)に到着。現地では、サン・ファン館の中澤希望さんが出迎えてくれました。海に面したミュージアムは、津波によりドック棟が破壊され展示物も流出するなど大きな被害を受け、現在も休館中です。併設のサン・ファンパークにて被災・復旧状況についてお話を聞きました。慶長使節出帆400年を迎える今秋のミュージアム再開を目指しており、イベントを開催しながら機運を盛り上げていきたいとのことです。春の花々に囲まれ、潮風に吹かれながら、津波を耐え抜いた復元船サン・ファン・バウティスタを眺めました。
写真1 サン・ファンパークでの説明
再びバスに乗り、昼食会場である石巻まちなか復興マルシェへ向かいます。
今回は、石巻の美味しいものが集まったマルシェ内で「あふれるめかぶ海鮮丼」をいただきました。お腹が満たされて一息ついたところで、店内をぶらり。旧北上川沿いのマルシェからは、川の中瀬にある石ノ森萬画館が見えます。今度は徒歩で内海橋(うつみばし)を渡り、萬画館へ向かいました。
写真2 あふれるめかぶ海鮮丼
到着後、研修室にてお二方の講話を聴講しました。
初めは萬画館の西條允敏さんより、萬画館の被災状況と今日までの活動を中心にお話を聞きました。萬画館は石巻市のマンガを活かしたまちづくりの拠点施設としてつくられたこと、被災後は「子どもたちの笑顔を取り戻すことで大人も笑顔にできる」との考えから、子ども向けの企画に力を入れていることなど。地域とミュージアムの未来像を描きながら日々活動されていることがわかりました。また、その裏にスタッフを勇気づける全国からの応援とご支援があったことと、それに対する感謝の気持ちも伝えてくださいました。
写真3 石ノ森萬画館研修室での講話
続いて、石巻市教育委員会の佐々木淳さんより、石巻文化センターの震災被害と文化財レスキューについてお話を聞きました。同センターには、布施辰治関係資料、毛利コレクション、彫刻家・高橋英吉の作品など石巻ゆかりの資料が数多く収蔵、展示されてきました。一帯は津波により壊滅的な被害を受けた場所で、同センターにも海水や土砂、近くの工場より流出したパルプが流れ込み、多くの資料が被災しました。震災直後、ライフラインが寸断され、がれきが散乱する中、関係機関のネットワークにより全国から専門家が駆けつけ資料の救出にあたったとのことです。すでに石巻文化センターの建物の取壊しは決定しており、今は資料を宮城県美術館や市内各施設などに分散させて保管しながら、新たな複合施設の準備を進めているそうです。
講話の後、2013年3月23日にリニューアルされたばかりの萬画館を見学しました。館内では、新たなヒーローの展示を前に、親子連れや若い男性グループなど楽しげに過ごしています。西條さんの講話にあったスタッフやボランティアによるがれきの撤去から再開までの奮闘を思うと、この光景は一層感慨深いものです。その後、ミュージアムショップに立ち寄り、次は石巻市街まち歩きに出かけます。
写真4 石ノ森萬画館からまち歩き出発
萬画館の外では、まち歩きのガイドを務めていただくISHINOMAKI2.0の松村豪太さんが出迎えてくださいました。ご挨拶のあと、さっそく石巻の商店街に向かって歩き始めます。松村さんから、港町として栄えた石巻のまちの成り立ちとともに、震災前からまちが抱えていた課題、震災が起きてから現在までの状況について解説していただきます。視界に入るのは、家屋が撤去された空き地、解体を待つ店舗、再開した店舗、震災後にできたギャラリーや工房、ボランティアの活動拠点。松村さんの真剣かつ丁寧な語り口から石巻への想いが伝わり、立ち止まってはお話に聞き入ります。震災後に全国から多様な技能をもった若者が石巻に入り、地元の方々とともに新しいまちをつくろうと模索している、そんな今の石巻を肌で感じました。これから姿を変えるであろう今の石巻のまち並みを目に焼き付けつつ、バスに乗り込みました。
写真5 まち歩きの様子
帰りのバスでは、参加者は体を休めながら静かに旅の余韻に浸っている様子。
車窓に見慣れた仙台のまち並みが映り、車内の緊張が解けた頃、予定通り17時に仙台駅に到着しました。
旅を終えて参加者のアンケートを開くと、先々での解説が好評で、現地の状況に理解を深められた有意義なツアーであったこと、それから被災地支援の想いや復興を祈る言葉が多く綴られていました。
まちには私たちの大切なものがたくさんあります。歴史・文化・芸術・自然・…。
「身近に当たり前にあって、それが当然のように思えるけれど、実はそれらは自分たちの手で守り伝えないと、簡単に失われてしまうものでもあるのです。」という松村さんのメッセージが今も胸に響きます。文化財を守ったり、まちの人を元気づけたり、震災を経て改めてミュージアムの役割をみつめる旅となりました。
仙台・宮城ミュージアムアライアンス事務局 石川歩
■■■見験楽学ミュージアムバスツアー「石巻・まちの復興とミュージアム」■■■
開催日:2013年4月10日(水)
見学地:宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)※休館中のためサン・ファンパークのみ、石ノ森萬画館、石巻市街地
参加者:24名