地底の森ミュージアムでは、『アートと歴史のコラボレーション事業』(※)として、館敷地内の森などに自生する植物をモチーフにした、レリーフ展を開催します。
地底の森ミュージアムを取り囲むように広がる森。ここは「氷河期の森」と呼ばれ、その名のとおり2万年前の森が再現され、当時の植物を身近に感じることのできる場所です。
この「氷河期の森」で、仙台出身の美術家・笠原由起子さんが市民の皆さんとともに植物採集を行いました。笠原さんは、その場に生息する植物の生命力や記憶をそのまま閉じ込めたようなレリーフの制作を「メタモルフォーゼ-場の記憶-」と題して各地で行ってきました。
レリーフから喚起される植物の形、色合い、手触り、匂い、風に揺れる音-それは、今の「氷河期の森」の豊かさへの気づきと、かつてこの場所に存在していた森のイメージを私たちに与えてくれます。
本展では、現代の植物が生息する仙台市野草園でも採集を行い、現代と氷河期に生きる植物をレリーフとして対比させることで、氷河期の生命の有り様を見つめていきます。
氷河期にも確かにあった生命の営み。レリーフになった植物の姿は、現代に生きる私たちにまで受け継がれてきた生命の在り方、その繋がりを私たちに問いかけます。
なお、本展を行うにあたり、2010(平成22)年10月に市民の皆さんを対象にワークショップを行いました。地底の森ミュージアムと仙台市野草園を訪ね、今回レリーフとなった植物の採集を笠原さんとともに行いました。
※『アートと歴史のコラボレーション事業』
地底の森ミュージアムが取り組んでいる事業の一つで、本来歴史資料として扱われてきた文化財にアートの視点で光を当て、その価値を見直すことで、地域の歴史や文化財への理解を深めることを目的としています。
◆展示期間:2010(平成22)年12月19日(日)~2011(平成23)年1月16日(日)
◆会 場:地底の森ミュージアム(仙台市富沢遺跡保存館)
◆開館時間:9:00~16:45(入館は16:15まで)
◆休 館 日:2010(平成22)年12月20日(月)、24日(金)、27日(月)~31日(金)
2011(平成23)年1月1日(土)~4日(火)、11日(火)
◆入 館 料:一 般:400(320)円
高 校 生:200(160)円
小・中学生:100(80)円
※()内は、30名以上の団体料金。
※仙台市縄文の森広場と地底の森ミュージアムの共通入場券もあります。
両館見学の際にお得です。詳しくは、地底の森ミュージアムのホームページをご覧ください。
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笠原由起子(かさはら ゆきこ/美術家)
《プロフィール》
多摩美術大学大学院美術研究科修了。
各地に自生する植物を専門家とともに観察し、その土地に昔からなじみ深い植物を収集し、発想を得て、焼きもの
に象り作品化している。
《主な活動》
*水と土の芸術祭(2009(平成21)年 石油の里公園内蔵/新潟県立植物園)
*メタモルフォーゼ-場の記憶-(2007(平成19)年 トキアートスペース)
*大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003(2003(平成15)年)
*手で見る森のかたち(2002(平成14)年 長野県 辰野美術館)
*化石になった森ひらかた(2000(平成12)年 枚方市立御殿山美術センター)他
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【問い合わせ】地底の森ミュージアム(仙台市富沢遺跡保存館)
022-246-9153