メディアテークの建築は、ハニカムスラブ(床)、チューブ(柱)、ダブルスキン(外周壁面の二重ガラス)の3つの要素によって構成されています。鉄パイプを円筒状に組んだ中空の構造によって建物全体を支えつつ、管として各階を繋ぐ役割も果たしているのがチューブです。
全部で13本あり、南西から北東に向かって順番に番号が振られています。南東角の大きな階段のあるチューブが5番チューブです。メディアテークではスタジオやギャラリーなど創造活動の場を結ぶ5番チューブを拠点に、「5番チューブ再開発計画」と題したプロジェクトを展開し、音響や映像による表現で有効活用していくシリーズを展開しています。さまざまな活動や情報をより大きな可能性につなげていく「管」として、階段とその周辺を活かした新しい使い方、楽しみ方が出来るよう、みなさんといっしょに考えていきたいと思います。
2010(平成22)年は文化庁メディア芸術祭巡回企画展として、テクノロジーを積極的に用いた表現でアートやデザインの分野で活躍する石橋素と真鍋大度が、「いま、バリアとはなにか」をテーマとして作品を制作し、5番チューブやメディアテーク館内の空きスペースに展示します。
身の回りの素朴な素材や現象に着目し、それらをコンピュータープログラミングや制御技術を駆使して、新たな体験を生む装置として再構成します。新作「Depth of Field」では、市販のエアガンを使い鑑賞者の像を描き出します。館内の作品を探してお楽しみください。
◆展示場所:5番チューブの1階部分・エスカレーターの踊り場から見える部分
※7階の5番チューブ周辺では、第13回文化庁メディ芸術祭受賞作品のダイジェスト映像を上映します。
◆開催期間:2010(平成22)年9月18日(土)~12月26日(日)
◆開催日時:11:00~17:00 ※光のページェント点灯後は21:00まで
◆入場無料
◆アーティスト:石橋素(いしばし もとい)/真鍋大度(まなべ だいと)
Profile:石橋素 Motoi Ishibashi
1975(昭和50)年生まれ。東京工業大学制御システム工学科卒業。IAMAS卒業。IMASA在学中より、コンピューター
プログラミングを用いたインタラクティブな作品制作を始める。テクノロジーを駆使した新しい遊びとプロトコルをテーマ
にインターフェイスデザインやデバイスの設計開発を行う。2006(平成18)年、株式会社DNGを設立し、ファッション
ブランドの店舗や科学館等における展示システムの企画・制作も行う。ハッカーズスペース“4nchor5 la6”(アンカー
ズラボ)ディレクター。
:真鍋大度 Daito Manabe
1976(昭和51)年生まれ。東京理科大学卒業。IAMAS卒業。コンピュータープログラミングによる音響・照明・映像の
デザインと動作制御で、国内外を問わず数多くのミュージックフェスティバルや、ダンスプロジェクトなどに参加している。
2009(平成21)年1月に行われたアルスエレクトロニカセンターのオープニングイベントでは、ザカリー・リーバーマン率
いるYesYesNoとのコラボレート作品を発表する他、筋電位センサーと低周波発生器を用いたパフォーマンスとDJも行っ
た。顔面を音楽のヴィジュアライザーとして扱ったYoutubeの実験映像がギーク系ブログで話題になり一ヶ月足らずで
100万ビューを達成。ハッカーズスペース“4nchaor5la6”(アンカーズラボ)共同主宰。Rhizomatiks取締役。
【問い合わせ】 せんだいメディアテーク 電話 022-713-4483