冬は縄文人にとって狩りの季節です。今回の企画展では、縄文人ムラとその冬の食べ物を、狩猟道具などからご紹介します。
名取川沿いの遺跡、下のノ内浦遺跡・大貝中遺跡・沼原A遺跡などからは、獣を捕まえる落とし穴と考えられる跡が多数発見されています。縄文時代の落とし穴と考えられる穴は、列をなし規則的に配置されていたり、対に並んでいる例もみられます。また穴の形には、楕円形または隅の丸い長方形や細長い楕円形をしたものがあり、1m以上の深さがあるものも多くみられ、穴の底には杭(くい)を立てて殺傷能力を高めていたと考えられるものもありました。楕円形または隅の丸い長方形の落とし穴はイノシシを、細長い楕円形の落とし穴はシカを捕まえるのに主に使われたのではないかと考えられています。
▲左:沼原A遺跡と太白山 右:沼原A遺跡の落とし穴のようす
▲左:細長い落とし穴 右:楕円形の落とし穴
▲大貝中遺跡出土石器(左:石べら 右:石匙)
また、狩りの道具であるさまざまな石器が出土しており、狩猟が盛んに行われていたことがわかります。石器としては、石鏃(せきぞく)や投げ槍として使われた尖頭器(せんとうき)や、肉を切ったり皮なめし等に用いられた石べらなど、万能ナイフと考えられる石匙(いしさじ)などがあり、これらを展示しています。
縄文人の狩りの対象になったのは、イノシシやニホンジカなどの獣、カモやキジ類などの鳥類が中心で、上野遺跡からはこれらのほか、ノウサギやタヌキなどの骨が出土しています。
▲左:順に、アナグマ(仙台市科学館蔵)、タヌキ、キジ(雄・雌)、右奥:イタチ(仙台市科学館蔵)
この機会に獲物となった動物たちとともに縄文人のムラと冬の食べ物をご紹介いたしますので、ぜひこのミニ企画展に足をお運びください。
◆期 間:2011(平成23)年1月21日(金)~3月21日(月・祝)
◆場 所:仙台市縄文の森広場 展示室企画展コーナー
◆休館日:毎週月曜日・休日の翌日・第4木曜日
◆開館時間:9:00~16:45(入館は16:15まで)
◆入 館 料:一般200(160)円 高校生150(120)円 小・中学生100(80)円
※( )内は30名以上の団体料金です。引率の方は30名に1人の割合で無料です。
※仙台市富沢遺跡保存館(地底の森ミュージアム)とのお得な共通入場券もあります。
詳しくはこちらをご覧ください。
【問い合わせ】 仙台市縄文の森広場 電話 022-307-5665