1953年、東京の近代美術館で「世界のポスター展」が開かれた。たまたまそれを見学した高校2年生の和田誠は大いに感動して「ポスターを作る人になりたい」と思った。当時はグラフィック・デザインという言葉もイラストレーションという言葉も日本には浸透していなかったので、もちろん高校生は知らないのだが、「ポスターを作る人」を夢みた彼は多摩美術大学に入学、デザインを学んだ。幼年時代から絵を描くことが大好きだった彼は在学中にイラストレーションの技術を身につけ、大学3年の時にオペラのポスターを手がける。それが彼にとって初めて街に貼られるポスターとなった。「ポスターを作る人」になれたわけである。多摩美卒業後、デザイン会社ライトパブリシティに入社し、プロとしての活動を開始する。会社では新聞、雑誌広告のレイアウトで腕を磨き、9年勤めて退社。グラフィックデザイナー兼イラストレーターとして、ポスターのほか装丁、挿絵、絵本制作、週刊誌の表紙など活動の幅を広げている。
今回のポスター展は活動を開始した1960年代のものから現在にいたるまで、自選したポスター作品約100点と原画15点が展示されるほか1987年に制作したアニメーション「怪盗ジゴマ音楽篇」のDVD上映(毎日)も行われる。
■会期:2012(平成24)年11月23日(金・祝)~2013(平成25年)年1月14日(月・祝)
■開館時間:午前9時~午後5時(入館は4時30分まで)
■会場:仙台文学館
■休館日:月曜日(休日の場合は開館)、休日の翌日、12/28(金)~1/4(木)
■観覧料金:一般500円 / 高校生200円 / 小・中学生100円
■主催:仙台文学館
■協力:和田誠事務所 / 公益財団法人 弦 地域文化支援財団
【関連イベント】
小池光ことばのセッションVol.7
「和田誠に聞く~ことば・本・装丁・デザイン」
和田誠さんをゲストにお迎えし、本の装丁やポスターのデザインのこと、
そして井上ひさしとの仕事の思い出などについて伺います。
■日時: 12月22日(土) 午後1時30分~
■会場:仙台文学館講習室
■ゲスト:和田誠
■聞き手:小池光(仙台文学館館長)
■定員:180名
■申込方法:往復はがきに、住所・氏名・電話番号・イベント名を明記のうえ、
仙台文学館へお申し込みください。1枚につき1名の申込とします。
申込締切:12月5日(水)【必着】。
※申込多数の場合は、抽選となります。
【お申し込み・お問い合わせ】 仙台文学館
〒981-0902 仙台市青葉区北根2-7-1
電話:022-271-3020