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仙台市八木山動物公園の愛すべき長寿動物について

 

動物園では、若い動物が人気ですが、その人気に隠れて、長く愛されている長寿動物もいます。今回は、八木山動物公園の長寿動物を紹介しましょう。

ニシゴリラのオスのドン(写真)は推定40歳です。国内最高齢は、名古屋市東山動物園のメスのオキで、推定53歳、第二位は福岡市動物園のオスのウィリーで、推定45歳です。ドンは第三位です。ニシゴリラの寿命は、40年から50年です。数年前に、虫歯が悪化し、下顎が腫れてうまく食べることが出来なくなり、今も固いものを食べるのは苦手ですが、元気です。
近年新しい分類法が発表され、ニシローランドゴリラ亜種は、ニシゴリラ種となり、最近はIUCN(国際自然保護連合)等これに従ったものが多く、日本の動物園も種名をニシゴリラに変更しました。昨年2月に日本モンキーセンター(愛知県犬山市)のハナコ(メス、享年42歳)、10月には千葉市動物公園のゴロ(オス、同44歳)が、そして11月には京都市動物園のゴン(オス、同38歳)が死亡しました。ニシゴリラは10施設でオス13頭・メス11頭の24頭だけが国内で飼育展示されています。

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レッサーパンダのオスの健健(ジェンジェン)は18歳です。国内最高齢は、王子動物園(兵庫県神戸市)のオスと熱川バナナ・ワニ園(静岡県東伊豆町)のメスで20歳です。健健は、年齢上の第二番目で、同年齢のパンダが全国に合計12頭います。レッサーパンダの寿命は、野生下で約8年から10年、飼育下で約15年です。レッサーパンダの亜種は、シセンレッサーパンダ(Ailurus.fulgens.styani)とネパールレッサーパンダ(A.f.fulgens)が知られ、日本の動物園で見られるのは、ほとんどがシセンレッサーパンダです。ちなみに、熱川の20歳のメスはネパールレッサーパンダです。若い頃は、背筋を真っ直ぐにして足早に走り回っていましたが、最近は背中を丸めて、ゆっくり歩き回るようになりました。この姿は、人間が若い時は背筋をぴんと張って歩きますが、歳をとるに従い、背中を丸めて歩くようになるのと非常によく似ています。

 

アジアゾウの亜種インドゾウのメスのトシコは推定56歳です。昨年、それまでアジアゾウの国内最高齢でした王子動物園のすわ子が推定65歳で死亡し、現在は、井の頭自然文化園(東京都武蔵野市)の花子推定62歳が最高齢で、天王寺動物園(大阪府大阪市)の春子推定61歳、福岡市動物園(福岡県福岡市)のおふく推定59歳と続き、トシコは第四位です。アフリカゾウのメスのメアリーは推定43歳です。国内最高齢は、多摩動物公園(東京都日野市)のメスのアコとマコの44歳です。メアリーは第二位です。
ゾウの寿命は、60年から70年です。しかし、アフリカゾウは、アジアゾウと異なり飼育下では短命です。トシコとメアリーは年齢の割には大変元気です。

 

シロサイのメスのシンシアは40歳です。国内最高齢は、富士サファリパーク(静岡県裾野市)のメスで41歳です。第二位がシンシアと群馬サファリパーク(群馬県富岡市)のメスです。因みに、シンシアと2005年まで連れ添ったオスのサブは42歳で死亡しました。シロサイの寿命は、約50年です。
足腰はだいじょうぶで元気なのですが、最近、皮膚が荒れてきたので、エサにビタミン剤を添加して与えています。

アミメキリンのメスのアミは28歳です。国内最高齢は、埼玉県こども動物自然公園(埼玉県東松山市)のメスで29歳です。昨年、それまで最高齢でした沖縄こどもの国(沖縄こども未来ゾーン(沖縄県沖縄市))のメスが30歳で死亡しました。アミは現在第二位です。キリンの寿命は、飼育下で20年から30年です。
最近、右の後肢に破行(はこう:骨、腱、筋肉などに異常をきたし、歩様が正常ではない状態)が見られ、広い運動場でシマウマと一緒に展示できなくなりました。現在治療中です。

森の食堂側のチンパンジー展示場にいるメスのロロは、現在推定40歳です。チンパンジーの寿命は、40年から50年です。ロロは、外見や行動から高齢に見えるのですが、全国の動物園の中には、もっと高齢な個体がたくさんいます。国内にチンパンジーは約340頭飼育されていて、40歳以上が21頭もいて、30歳以上40歳未満が85頭いるのです。しかし、ロロは、体の毛の艶がなくなり、顔の口の回りにも白いものが多くなりました。でも、私が展示場の前を通ると手を振って挨拶することは忘れないようです。長年一緒だったメスのポコが昨年の12月25日に亡くなり、一段と老けてきました。

動物の社会も人間と同じ様に、メスがオスよりも長生きのようです。仙台市八木山動物公園は1965年に開園し、今年45周年を迎えます。関東以南の暖かい地方の動物園に比べて、寒い東北の地にありながら、長年培ってきた飼育管理技術と飼育員の愛情により、動物が長生き出来るようにがんばっています。

仙台市八木山動物公園 学芸員 阿部敏計

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