SMMA参加館の学芸員をはじめ現場スタッフによるとっておきの情報や、地域のミュージアムならではの旬な情報をお伝えする情報誌「旬の見験楽学便」。
そのなかのSMMA参加館にゆかりのある人物にせまる特集「シリーズ人」から、第10回は、地底の森ミュージアムより狩人についてご紹介します。
狩人(旧石器時代人) (約2万年前頃)
▲富沢遺跡では約2万年前(旧石器時代)の焚き火跡などがみつかっていることから、地底の森ミュージアム(仙台市富沢遺跡保存館)に現れる狩人はそのころの人と思われる。現代の私たちと同じホモ・サピエンスに属する。
註:狩人のみなさんは現代の言葉を話せないため、地底の森ミュージアム職員にうかがいました。
地底の森ミュージアム周辺に狩りをしに
旧石器時代人は定住ではなく狩りを中心とした 移動式の生活をしていました。槍を使って狩りをしていたようです。彼らは地底の森ミュージアムに時空を超えて不定期にやってきて、野外にいたり、時には館内に入ってくることもあります。「あ、今日も来たね」という感じです。言葉は通じませんが、職員もだいぶ仲良くなってきて名前を覚えてもらったり、おおよそいつ来るかわかるようになりました。
狩りをしに来ているようですが、鹿の革と木で つくったテントを建てて寝たり、黙々と道具を直したりもしています。そういうときには職員がかたわらで何をしているか解説したりもします。
▲鹿の皮で覆われたテント
当時の人たちの生活を理解する橋渡しに
彼らに会ったら、急に近づいたりせずそっと見 守っていてください。現代人に驚いたりするかもしれないので。このごろは写真を撮ることを「カシャ」と憶えてくれ、フラッシュをたかなければ驚かず写ってくれます。
彼らとの出会いは、石器や解説パネルだけでは伝わらない、当時の生活のようすを多くの来館者に知っていただく良い機会になっています。
▲火をおこしたり、石器作りに没頭している
※このコラムは2020年10月30日発行の「旬の見験楽学便」に掲載されたものです。
※地底の森ミュージアムの情報はこちら。