SMMA SENDAI MIYAGI MUSEUM ALLIANCE 仙台・宮城ミュージアムアライアンス

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東北学院大学博物館はじめましてレポート

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地下鉄東西線開通まであと半年の今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。SMMA事務局吉田です(写真は五橋駅)。

さて今年のSMMAはなにやら賑々しい気配。それというのも今年度からSMMAに新しくミュージアムが参加することになったからです。
その数、4つ。今年度のSMMAは全部で15のミュージアムが連携して様々な活動を行ってまいります。
今回は新しく参加した4つのミュージアムのひとつ、東北学院大学博物館に行ってまいりました。

 

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東北学院大学博物館は、2009年11月18日に開館した、東北学院大学土樋キャンパスに隣接している博物館です。東北学院大学の教育や研究成果にかかわる資料の収集整理・保管・公開などを通し、大学の活動を社会に伝えることを目的としています。

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ちなみに今回は地下鉄で行ってみました。五橋駅で降りて5分ほど歩くと黒い門に白い壁、青いシンボルマークの刻まれた博物館が見えてきます。

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中に入ると受付横にはSMMAのバナーが!
そして隣に掲げられているのが現在開催中の特別展のポスターです。

 

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東北学院大学博物館では現在、福岡市にある西南学院大学博物館との共同企画「“NEXUS”春季特別展」が開催されています。互いの博物館の収蔵品を相互に紹介するというこの企画、東北学院大学博物館では「キリスト教の源流と東方伝播 ―受容と禁教、そして解禁―」と題し、西南学院大学博物館の収蔵品を展示しています。キリスト教の母体であるユダヤ教の祭具に始まり、西洋諸国を中心に広まったキリスト教が南米で、アジアで、そして日本でどのように受容され広まっていったかを見ることができます。
現在の七枝の燭台になる前のユダヤのランプや、西洋とは違う様式で描かれた南米のキリスト教絵画を見ていくと、宗教のあり方が時代と場所を通して様々に変化していったことを感じます。また天草四郎が鎧をまとっている版画など、「ちょっとこれは見たことないぞ…?」という資料がさりげなく展示されていたりするのです。

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その「見たことないぞ」という展示品のひとつに違いないのがこちら。この黒い展示ケースに入っているのは19世紀の「キリシタン魔鏡」なのですが、展示ケースのスイッチを押すと光が照射され、魔鏡の映す像を見ることができます!
実際に映してみる機会はなかなかないと思うので、ぜひごらんください。

 

さあ共同企画の展示は一通り観ましたよ、というところで展示室の一番奥、青いパネルで仕切られたスペースに注目してみましょう。

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こちらのスペースでは「流水は腐らず―近世日本の身体観―」と「板碑から見る中世奥羽の世界」が開催されています。
実は東北学院大学博物館は、東北学院大学で博物館学芸員資格課程を学んでいる学生たちの実習拠点でもあります。「流水は腐らず―近世日本の身体観―」はその実習の一環として企画された展示であり、貝原益軒の『養生訓』を始めとする近世の医術書等が展示されています。
展示概要には「現在東北歴史博物館で開催中の話題の特別展「医は仁術」に便乗(!?)」なんて説明されていますが、社会の教科書にも掲載されている資料が展示されていたり、分かりやすい解説が付されていたり、ちょっと立ち寄ってみた人でも充分楽しめる展示になっています。
またその隣では、松島町雄島の浅海底から採集した板碑を展示している「板碑から見る中世奥羽の世界」が開催中です。板碑とは板状の石で造られた、中世仏教における供養塔のこと(仙台市博物館に墓石のようなものが展示されているところ、観たことありませんか?)。仏を表す梵字が大きく彫られていることが多いのですが、こちらの展示ではその梵字の意味や、板碑に刻まれた言葉の内容も丁寧に解説されています。

ちなみに雄島での文化財調査活動は、博物館の活動のひとつであり東日本大震災の際にも大きな成果を上げた、文化財レスキューの延長にあるものです。
文化財レスキューや人材育成、大学博物館連携など、様々な活動を行っている東北学院大学博物館の今後にご注目ください。

 

「キリスト教の源流と東方伝播 ―受容と禁教、そして解禁―」は、8月6日(木)まで開催しています。
また西南学院大学博物館では、「東日本と大震災と文化遺産 ―被災と復旧、そして文化創造へ―」を8月4日(火)まで開催中です。

 

 

【東北学院大学博物館】
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:日曜日、祝日・休日、大学の定める休業日
入館料:一般200円
※学校法人東北学院の役員・教職員・学生・生徒・園児・旧役員・旧教職員は無料。
※大学同窓生は、ホームカミング・デー等の館長の定める行事日は無料。
※未就学児、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校もしくは高等専門学校の児童、生徒又は学生、65歳以上の方、障害者基本法に定める障害者と介護者1名は無料。
住所:〒980—8511 宮城県仙台市青葉区土樋一丁目3-1

【お問い合わせ】
東北学院大学博物館
TEL:022-264-6920

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